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ダービーを獲る

  • 2014年05月30日(金) 18時00分


◆現時点での完成度の高さは父以上

新聞記者の時代は河内洋騎手(現調教師)の手記を構成させていただいていました。
毎週お聞きしたお話は僕の宝物です。先日、5年ぶりにお会いして取材をさせていただきました。
20世紀最後の日本ダービー。アグネスフライトと河内さん、かっこよかったなあ。いまでも河内さんはオーラが凄いです!

広大な東京競馬場に18頭。
考え過ぎることなくシンプルに。ほかのどのレースよりも真っすぐに。
ダービーを分析するときは難しく考えないようにしている。
1冠めにして最高レベルの前哨戦・皐月賞。
あるいは別路線組を重視するか。
路線は違っても昨年の覇者キズナのように弥生賞までは王道を歩む馬もいる。
力量の差をしっかりと感じ取って掴みとりたいと思っている。

ワンアンドオンリーを推す。
銭形模様が浮き上がる、素晴らしい身体を誇示。
長い胴体にクッションの利いた繋は2400m戦への適性の高さを明確に伝えてくる。
闘志を秘めながら自己をコントロールできていることを感じさせる眼もいい。
持続力に富む末脚は府中の直線でこそ映える。現時点での完成度の高さは父以上だ。

トーセンスターダムは過去にないほど体調がいいのではないか。
張りのあるボディは祭典から逆算したローテーションを踏み外すことなく貫徹してきた証しだろう。
3角でバランスを崩した前走は着順が大きいからこそ度外視できる。

ハギノハイブリッドは中1週で4キロ増という前走の身体に好感が持てる。東上後だけに価値がある。
ハイペースを楽々と追走して抜け出した。府中に向く血統背景も頼もしい。

トゥザワールドは器用で素直で穏やかな優等生。戦法において選択肢が広い分、戦い方が難しいかもしれない。
とはいえ反応がよく根性も十分。完成度が高く大崩れは考えにくい。

イスラボニータは外枠を引いた。距離も延びるだけに折り合い面が課題になる。
遅生まれで一戦ごとに成長しており皐月賞馬でもチャレンジャーのような魅力を失っていない。

レッドリヴェールは初めて間隔を詰めて参戦する。身体は膨らみ体調のよさを感じさせる。
外観は牝馬らしいが切れ味よりスピードの持続力で勝負するタイプ。根性もあるが牡馬相手でもまれると厳しい。
外枠がプラスに出ればおもしろい。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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