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マジェスティハーツ、フーラブライドなどエプソムC、マーメイドS分析

  • 2014年06月11日(水) 18時00分


◆宝塚記念こそ、と思っていますがその前に今週の重賞で勢いをつけたいところ

 ダノンシャークとクラレントが併せ馬で直線を向いた時には「勝ち負け」を意識しましたが、極悪馬場の直線の長いこと。結局、ゴール前の叩き合いはジャスタウェイとグランプリボスという、内を突いた2頭でした。また、最内を突いたショウナンマイティが3着。個人的には状態が途上だと思った、グランプリボス、ショウナンマイティが馬券に絡んだので、仕方なし、と諦めたいところですが、参考にしてくださった皆様には申し訳ないことをしました。

 上半期最後のG1、宝塚記念こそ、と思っていますが、その前に今週の重賞で勢いをつけたいところ。非常に難しいメンバー構成ですが、とにかく、今朝11日の最終追い切りのレポートをしたいと思います。

【エプソムC/カルドブレッサ】

 前走後は一旦、ノーザンFしがらきへ放牧に出て、帰厩したのが、5月28日。そのため、この中間の追い切り本数は決して多くありません。また、追い切り内容も時計が遅めで、目立った数字は出ていませんが、動きの良さは目立っています。

 最終追い切りもソフトに単走。やや時計の掛かる印象のあったCコースを、6F87.5〜5F70.9〜4F55.0〜3F39.8〜1F12.3秒でまとめてきました。ラストの伸びは先週の時点から目立っていましたが、今週も変わらず機敏。週末の天気が崩れても、本馬のフットワークなら、荒れ馬場をこなしてくれそうです。仮に良馬場だったとしても、先週の雨馬場でのレースで馬場が傷んでいるはずなので、そんな馬場にも適性は高いと思います。

カルドブレッサ

ラストの伸びは先週の時点から目立っていましたが、今週も変わらず機敏なカルドブレッサ(6月11日撮影)



【エプソムC/マジェスティハーツ】

 この中間の追い切り本数は少ないわけではないので、むしろ評価したいところ。ただ、1週前追い切りは単走だったこともあり、内にもたれるシーンが目立ち、あまり良い印象が残りませんでした。

 最終追い切りはレースで手綱をとる横山典弘騎手が跨って、ウインバリアシオンを追走する内容。持ったままの相手に外から持ったままで並びかけて、最後は僅かに先着してゴール。追ってからの反応を見てみたいところでしたが、内にもたれるシーンは全くなく、スムーズな走り。時計は6F83.5〜5F68.0〜4F53.6〜3F39.2〜1F12.2秒で、前走時よりも少し遅め。大きな上積みこそ感じませんが、安定した状態で出走することができそうです。

マジェスティハーツ

安定した状態で出走することができそうなマジェスティハーツ(6月11日撮影)



【マーメイドS/フーラブライド】

 前走ヴィクトリアMは陣営も自信を持って出走となる、最高の状態。それでも結果が出なかったのは、レースに対する適性がなかったと判断した方がよいでしょう。個人的に気になったのは、その後の状態。1週前追い切りの内容が軽かったので、最終追い切りをどの程度やってくるのか、注目していました。

 時計は6F82.6〜5F67.5〜4F53.5〜3F39.6〜1F12.4秒で、結構、しっかりと数字を出したという印象。ただ、前走時の動きに比べると、ゴール手前で早々に鞍上の手が動いており、明らかに前走時の動きが良かったと思います。好調期間の長かった馬だけに、ここにきての上昇はないでしょうから、あとは地力でどこまで。

フーラブライド

明らかに前走時の動きが良かったフーラブライド(6月11日撮影)



【マーメイドS/ディアデラマドレ】

 1週前追い切りと同じく、最終追い切りもCコースで追われていますが、中間は坂路での15-15を本数積み重ねています。このパターンで良績を残しているので、調教内容が軽いということはありません。

 画像の真ん中、3頭併せも真ん中に入る内容でしたが、最後の直線は先行していたフリートストリートとの追い比べ。といっても、相手が追って、こちらはほぼ持ったまま。勢いは完全にこちらが上回っており、その動きは前走時よりも目立っています。ただ、全体時計が遅めな点をどう評価するか。これに尽きるでしょう。

ディアデラマドレ

動きは前走時よりも目立っているが全体時計が遅めなディアデラマドレ(6月11日撮影)



【マーメイドS/フロアクラフト】

 栗東での調教は坂路が中心だった馬ですが、1週前追い切りから、Cコースを利用。西園正都調教師によると「しっかり負荷を掛けたい」ということでしたが、500キロ近い大型馬なので、これはプラスに出ると思います。

 最終追い切りは3頭併せの大外。道中引っ掛かり気味になったグレイスフルデイズを追走する形でしたが、直線では手応え楽。ややスムーズさを欠いた併せ馬だったので、時計は6F88.1秒と極端に遅くなりましたが、コーナー4つのコースでの立ち回りの上手さは確認できる動きでした。

フロアクラフト

コーナー4つのコースでの立ち回りの上手さは確認できる動だったフロアクラフト(6月11日撮影)



◆次走要注意

・6/7 東京5R 2歳新馬【ワキノヒビキ】(3人/14着)

 1週前追い切り、最終追い切りと完璧な内容でのデビュー。スタートも決まって、あとは直線というところでしたが、内にもたれて追えないまま終わりました。
 ジョッキーコメントだと、馬場のせいで、最後は内にささったようですので、良馬場での見直しでしょう。

[メモ登録用コメント] [良馬場]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・6/8 阪神5R 2歳新馬【マイネルシアトル】(1人/3着)

 Cコースでの追い切り時計が速く、1番人気に支持されましたが、初出走であの位置取りは致命的。一番ロスのある、勝負どころで動いてしまっては、3着に残るのがやっとでしょう。
 追い切り本数が少なかったこともあるので、次走は上積み十分。人気でもあっさりと決めてくれると思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【ベルラップ

 最終追い切りに横山典弘騎手が騎乗。坂路で前に2頭を見て、追走する形での追い切りでした。ゴール前は先頭のブラヴィッシモに追いつくことはできませんでしたが、サージェントバッジはきっちり交わして先着。
 しっかり飼葉を食べる馬ということなので、このくらい、負荷の掛かる追い切りを消化した方がよいはず。馬のスケールは東京芝1800mにもぴったりです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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