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オープン級のスケール/夏至S

  • 2014年06月27日(金) 18時00分


◆スピード決着は望むところ

 この時期だから、みんな天候を気にし、馬場状態に注意するのは仕方がない。日曜の宝塚記念など、少し渋ったほうがいい馬もいれば、牝馬ジェンティルドンナあたりは降雨(渋馬場)は歓迎ではない。天候の急変も珍しくない近年だから、天気予報そのままに、日曜日の馬券を早めには購入しにくい。

 東京の天候は、土曜日はあまり降雨はない見込み。このダート1600mをトロワボヌールが1分34秒1のレコードで差し切ったような「重〜不良」はなく、「良〜ヤヤ重」か。

 だいたい先週と同じようなコンディションと考えると、1000万条件のダート1600mが1分36秒3。凡走したアジアエクスプレスは別に、同じような1000万級で決着したユニコーンSが1分36秒0だったから、この1600万条件は良で「1分35秒5〜9」くらいと思われる。パワーの決着というより、高速ダートに近いだろう。

 東京コースは初めて、距離1600mも初めてという死角はあるが、たちまちオープンに出世して不思議ないスケールが魅力のクラージュドール(父キングカメハメハ)に期待したい。前々回の1000万下の阪神ダート2000mは2分05秒4(良)の勝ちタイム。とくに目立たないが、同じ開催の1600万特別が同じ2分05秒4だったから、遅くはない。出負けして後方に置かれたが、馬群を割って上がり36秒4(レース上がり37秒4)で一気に差し切っている。格上がりの前回1600万条件の京都ダート1900mを、今度は大外に回って上がり36秒7(レース上がり37秒6)。4コーナー最後方からまとめて差し切ってみせた。楽勝に映った。

 ダートのチャンピオンサイアーを続けるキングカメハメハ産駒で、母レクレドール(その父サンデーサイレンス)は、ステイゴールドの全妹。3歳後半からの一時期はちょっと伸び悩んだが、4歳春の圧倒的な勝ち方での2連勝は、文字通り本格化だろう。今週は宝塚記念に出走するトーセンジョーダンの外に併せる追い切りで、力比べになった最後もG1ホースにほとんど見劣らなかった。

 力馬というよりは、血統通り切れとスピード能力十分のダート巧者。初めては死角でも、東京ダート1600mのスピード決着は合っていると判断したい。もまれる危険のある内枠ではなく、外の14番を引いたのは幸運だった。同じ配合形のベルシャザール(父キングカメハメハ、母の父サンデーサイレンス)に良く似たタイプと思える。

 相手本線には、ダートはまだ1戦しただけだが、東京ダート1400mを1分24秒4で乗り切り、1600万で0秒5しか負けなかったダノンミル(父ジャングルポケット)が狙える。フジキセキの一族。この中間はビシビシ追っている。引き続き54キロのハンデなら、絶好の狙い目だろう。

 以下、前回好走したスズカヴィグラス、ハイペースで粘った内容が光るセイカフォルトゥナ。抑えにトロワボヌールオメガセニョリーナシンボリエンパイア

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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