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ラジオNIKKEI賞の傾向を分析する

  • 2014年07月04日(金) 18時00分


◆クラリティシチー唯一の「引っかかる点」は…

 ラジオNIKKEI賞はハンデ戦となって8回が消化されたが、斤量がモノを言うような傾向は出てきていない。ハンデキャッパーとしても自由度のあまりない条件下でのハンデ戦だけに、斤量に神経をとがらせるよりは、もっと単純な前走クラス別成績などに目を向けていくだけでいいだろう。

 その前走クラス別成績ということで言うと、前走重賞組は意外に強くない。過去8年(2.1.2.34)で、回収率は単41%・複54%。人気になってしまうのでどうしても回収率は伸びない。

 穴をあけてきたのは1000万条件組だが、サンプル数がさほど多くない中で単穴(5,8,8番人気)が3発出たという状況なので、これが後々まで続くのかはまだ分からない。

 前走500万条件組は、「ここで人気になる馬は買い、ならない馬は消し」と傾向がはっきりしている。軸にしても配当妙味がないので、人気になる馬を諦めてヒモに入れるという感じでいいだろう。

 今回人気が予想されるクラリティシチーは、まさに「人気になる500万条件組」だし、重賞好走歴もあって安心感がある。唯一引っかかるのはここまでオープンだと差し構えの競馬をしていたこと。福島なので、強気に位置をとったほうがかえってリスクはないと思う。

 それに次ぐ人気がピオネロショウナンワダチあたりか。両馬とも重賞での内容を見るとここで勝ち負けになりそうに見えるのだが、先述した通り前走重賞組は案外と成績が奮わないし、似たリスクは重賞好走→オープン特別のピオネロにもあると思う。

 仮に前走でピオネロより上位人気だったミヤビジャスパーが今回は人気下位となるようなら、馬券的にはそちらのほうが面白い。無責任なようだが、このあたりの馬たちは絶対こちらが勝つなどと断言できるものではなく、配当と相談しながら取捨を決めるべき存在だと思う。

 ウイン2騎も同じようなグループだと思うが、その2頭なら先行するという選択肢のあるウインフェニックスのほうが魅力的に映る。

 さきほど単穴を生んできたと書いた前走1000万条件組は、今回イダスラディウスの2頭がいる。脚質的はイダスのほうがこのコースでは魅力的。大敗した函館からの転戦というのはさすがにしんどいような気もするが、こういう脚質の馬は、他の要素を考えては買えないものでもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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