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実践向きのリバイブビートが導く/吉田竜作マル秘週報

  • 2014年07月09日(水) 18時00分


◆“厩舎力”には確かなものがある、と記者は思う大根田厩舎の注目馬

 基本的に地方で開催される夏競馬は、厩舎関係者にも自然と“なじみの競馬場”ができてくる。とはいっても札幌や函館競馬場を好む人がその大半。馬産地に近いことや気候的に馬にとって楽というのも確かにあるだろう。が、北海道の馬房のやりくりや出張の奪い合い(?)を見ていると、松田博調教師がよく言う「(馬より)人間の都合さ」というのもわかる気がする。

 北海道支持派が圧倒的とはいえ、なかには九州の小倉競馬場をこよなく愛する人たちもいる。栗東には松田博調教師のように、中央競馬以前からなじみがある人も少なくないが、もちろんそうでない人も。記者がよく話をさせてもらっているなかで言えば、大根田調教師がまさにそう。その大根田師がポツリと漏らしたことがあった。

「毎年、小倉2歳Sが最終週にあるだろ? 俺、いつもその時は帰りの荷物をまとめてんねん。今年は使いたいよなあ」

 “小倉ラブ”の人にもかかわらず、確かに小倉2歳Sへの出走は一度としてない。その前哨戦のフェニックス賞ですら07年にシゲルクシエラがチャレンジしただけなのだ。

「ウチの厩舎はこの時期に2歳馬が入ること自体が少ないからなあ。それよりも3歳未勝利馬を何とかしないといけない」

 ありがちな厩舎事情がその原因なのだが、今年は少し状況が違うよう。思いのほかと言っては失礼だが、3歳馬たちがコンスタントに勝ち上がったこともあり、2歳馬たちが初夏に入厩できる状況になり、現在4頭が入厩済み。

 なかでも入厩前から「牧場の人間が『これで2歳Sに行ける』と言っていた」とトレーナーが期待を寄せているのがリバイブビート(牡=父タイキシャトル、母トウホーキセキ)だ。

 もちろん、牧場の評判通りにいくとは限らず、大事なのは入厩してから。現状の坂路での調教時計は2日の4ハロン55.4-13.0秒ほか、そう目立つものはないが…。「少しずつ良くなってきてる。跳びがきれいで乗り味がいいから芝の方がいいだろうね」と菊沢助手。大根田調教師も「坂路ではあまり時計が出るタイプじゃないんだろう。気がいいし、走りが軽い。レースに行って良さそうな感じ」と実戦向きとの判断を下している。

 このまま予定通りに調教が進めば土曜(12日)中京の芝1400メートル新馬戦にエントリーするとのこと。ここを勝てば大根田調教師にとっての悲願でもあるGIII小倉2歳S(9月7日=小倉芝1200メートル)初出走がグッと現実味を帯びてくる。

 これまでクラシックロードなどの派手な路線では目立っていなかった大根田厩舎だが、ダイショウジェット(父クリプティックラスカル)、ブルーデジャブ(父アドマイヤコジーン)、ジャベリン(父ムーンバラッド)、ナガラオリオン(父アドマイヤマックス)、エリアコンプリート(父ストーミングホーム)など、主流とは言いがたい血統の馬たちをオープンや準オープンまで出世させてきたように“厩舎力”には確かなものがある、と記者は思う。このリバイブビートがきっかけで一気にブレークなるか。まずはデビュー戦の走りに注目してほしい。

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