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プロキオンSの有力馬分析と気になる「大穴」

  • 2014年07月11日(金) 18時00分


◆プロキオンSは「穴寄りの予想をしてもよい」レース

 プロキオンSは施行条件が目まぐるしく変わったのでデータで分析することは難しいが、今の時期になってからは前走重賞組が勢力として後退し、オープン特別組で十分通用するようになっている。しかもオープン特別で負けてきた馬でも馬券になるので、一般の重賞以上に待ちの広い、穴寄りの予想をしてもよいだろう。

 人気が予想されるのはベストウォーリアか。左回りはいいし、1400mも好走歴があるので確かに大崩れはないように思われる。ただ前半の流れが速く位置取りが悪くなると、アタマまでは届かないという可能性も出てくる。3連複の軸なら堅そうだが、1着決め打ちはちょっと怖い。

 ノーザンリバーは重賞実績という点ではベストウォーリアを上回る。フェブラリーSでも差の無いところに来る地力はここでは他馬を大きく引き離すもの。Netkeibaの予想オッズではこちらが2番人気なのだが、実際のオッズでもそうなるとすれば、馬券的魅力はこちらのほうが大きい。

 キョウワダッフィーは安定したレース内容が魅力。先述したようにこのレース自体の傾向としてはオープン特別組でも問題ないのだが、重賞実績のないままに上位人気というのは、配当妙味という点ではプラスではない。左回り経験が少なく、東京で1番人気を2,3着と惜敗してきたことも意識しておきたい。

 アドマイヤロイヤルはこのレースと抜群の相性。ただ、年齢をひとつ重ねた一方で斤量は昨年・一昨年よりプラス1キロ。馬券圏内に届くかどうか、ぎりぎりのところではないかと思う。

 ゴールスキーは一時期ダート転向が大成功だったように見えたが、ここへきて若干アタマ打ちだ。無理に位置を押し上げると末が甘くなるので、どうしても展開待ちになる。この馬を買う場合は、前崩れを想定して相手にも差しタイプを取るほうがよいだろう。

 コーリンベリーは先行力と3歳牝馬ならではの斤量が魅力。今回はサマリーズやパドトロワがいるのでハナへ行けるかは分からないが、番手での競馬も前々走で経験済み。古馬勢に人気が集中するようなら試してみたい馬だ。

 穴候補はオープン特別の負け組だと思うので、まずはガンジス。ちょっと競馬がちぐはぐになっているが重賞レベルの力はあるわけだし、復活があっても不思議ではない。

 大穴ではマーチャンテイマー。「オープン特別負け組」と「牝馬」はこのレースの穴馬として魅力的な属性で、それらを併せ持つ。ただ1400mはあまりに短いかもしれないので、あくまで△の最後に置くような穴馬のイメージだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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