◆偶然なのか理由があるのか
セレクトセール直前になると、セールで売買された馬が活躍するという説がある。セール出身馬が新馬や重賞を勝てば当日の競りに好影響を及ぼすから、というのがその理由だが…。
「馬はそんなこと知らないわけだし、我々もそこまで考えてやってないよ。それはたまたまじゃないかな」というのは一昨年のGIマイルCSを勝ったセール出身のサダムパテックが昨年のセレクトセール会場で表彰された西園調教師。
確かに全ての調教師が直前になってセール出身馬を集中的に使い、勝たせようとしていることはなかろう。だが、新種牡馬の目玉となる期待馬を宣伝のために競り直前に出走させるという話は聞いたことがあるし、実際、新馬や重賞を勝てばこのうえない宣伝になるのは間違いない。
例年、プロキオンSの翌日に行われているセレクトセール。このセール直前のダート重賞で馬券になった馬の中には、前述の意向が働いたのか、それとも西園調教師が言うようにたまたまなのか、セレクトセール出身馬が多い。昨年の覇者アドマイヤロイヤル(一昨年2着)、同3着ダノンカモン(11年2着)、09年の勝ち馬ランザローテ…といったところだ。
今年はアドマイヤロイヤル、ガンジス、ダノンカモン、ノーザンリバーという4頭の“セレクト出身馬”が出走するプロキオンS。坂路野郎の◎はほぼ「前走より動きが良かったし、今回ははじけてくれるはず」と井上助手が自信満々に語るベストウォーリアに決めているが、相手にはちゃんと前記4頭も“セレクト”しておきたい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)