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アッシュゴールドなどデビュー間近の話題馬・人気馬(須田鷹雄)

  • 2014年07月15日(火) 18時00分


◆早期デビュー組の真打的存在、アッシュゴールド

 これまでのところ話題馬・人気馬が意外と勝ち切れず、そのためかいまひとつ盛り上がりを欠いている今年度のPOG戦線。かといって人気馬総崩れというほどでもなく、惜敗系の大駒が多いのでビミョーな空気になっているような気もする。

 早期デビューの大物というと、7月26日の中京芝1600mを予定しているアッシュゴールドが真打的存在。気性の勝った血統だし、上のG1馬2頭もデビューは短めのところだったので、距離はちょうどいいだろう。問題は中京の馬場が合うかどうか。「荒れた良馬場」よりはいっそ道悪になってしまったほうがよいかもしれないが、天気は当日を待つしかない。

 同じレースではセレクトセールの高馬、ネオスターダムもデビュー予定。パワフルでダートもこなしそうなタイプだけに、こちらのほうが中京の路面は向きそう。ただ距離はもうちょっとあったほうがよいかもしれない。

 セレクトセールの高馬といえば、ファハド殿下最初の出走となりそうなキングパールもデビュー間近。マリスター2→ピンクパピヨンの血統は堅実に勝ち上がってくるし、この馬は全兄が2頭とも出世しているので、期待できそうだ。

 ディープインパクト産駒ではコンテッサトゥーレがそろそろデビュー時期の発表……と思いきや、ゲート不合格となってしまった。ゲートの出ではなく入りが原因とのことなので、慣れれば問題ないだろう。キレないタイプの多いディープ×トニービンだが、この馬の場合は全兄2頭もPOG期間内にある程度機能しているし、安田厩舎流で鍛えられるとより短めのところにも適性を発揮できそうだ。

 ディープのクラブ馬といえばサザナミがデビュー間近。1歳時から「馬は良いがサイズが」と言われ続けてきたが、結局400キロあるかないかのままでデビューということになりそうだ。馬体維持優先で福島最終週か、ベスト条件で新潟開幕週かという2択は、どうやら後者になった模様。路面を考えるとそちらがベターだろう。他の血統ならともかくディープ牝馬は極端に小さい馬体でも走ることがあるので、心配は不要と考える。

 今年のPOG最大のテーマであり、セレクトセールに向けたテーマでもあった「ハービンジャーどうなんだ問題」は、結局トーセンバジルが2着、アキトオリオンが3着というヒントの少ない状態でセレクトセールを迎えてしまった。血統馬ではスワーヴジョージが当初の予定より後倒し、カービングパスも当初予定の7月26日から2週後倒しの可能性が出てきたということで、全体にピッチが上がらずにいる。ボリュームが目立つ血統だが絞れないという感じではなく、素質を感じさせながらもピリっと芯の入ってこない産駒が多いようだ。やりやすい種牡馬ではないのだと思うが、この世代の経験が生かされてくると思うので、仮に今年度ハービンジャー人気が落ちるようなら、来年逆張りしてみるのも面白いと思う。

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