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エバーブロッサムの全妹サトノシャルマン

  • 2014年06月25日(水) 12時00分
アグスタ(牡・美浦・田村康仁 父ゼンノロブロイ、母ソニンク)
 ランフォルセ(父シンボリクリスエス/12年ダイオライト記念-JpnIIなど重賞4勝)、ノーザンリバー(父アグネスタキオン/14さきたま杯-JpnIIなど重賞4勝)、モンローブロンド(父アドマイヤベガ/04年ファンタジーS-GIII・2着)、ノットアローン(父アグネスタキオン/08年ラジオNIKKEI賞-GIII・2着)、ルミナスポイント(父アグネスタキオン/OP)などの下。これらを産んだ母ソニンクは現代を代表する名繁殖牝馬の1頭で、競走経験はないものの、全欧3歳牝馬チャンピオンとなったSonic Ladyを母に持つ良血馬。持込馬として誕生した長女アコースティクスはダービー馬ロジユニヴァースの母だ。本馬はゼンノロブロイが父。母方にMachiavellianを持つゼンノロブロイ産駒には、現3歳牝馬のダートホースのなかで一番強いと思われるスピナッチがいる。芝・ダート兼用タイプの配合だが、ダートのほうが持ち味が活きそうだ。

ココスタイル(牡 栗東・松田国英 父ネオユニヴァース、母ココシュニック)
 2代母ゴールドティアラは南部杯(GI)などダート重賞を5勝した名牝。母ココシュニックは現役時代にダ1700〜1800mで3勝を挙げた。繁殖牝馬としては初子からステファノス(14年毎日杯-GIII・3着)を出すなど成功している。同馬はディープインパクト産駒なので芝適性にも恵まれていたが、本馬はネオユニヴァース産駒なのでパワー型だろう。「ネオユニヴァース×クロフネ」の組み合わせは過去芝1勝に対してダート4勝。ダートの成績のほうが優れている。Mr.ProspectorとDanzigを併せ持つ配合はネオユニヴァースの基本的な成功パターン。ダ1600〜1800mで堅実に走ってくるだろう。

サトノシャルマン(牝 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母サクラサクII)
 エバーブロッサム(13年オークス-GI・2着)の全妹。エイジアンウインズ(父フジキセキ/08年ヴィクトリアマイル-GI、08年阪神牝馬S-GII)、キュートエンブレム(父ウォーエンブレム/08年フローラS-GII・3着)、パッシングマーク(父エルコンドルパサー/06年ベンジャミンS-OP)の半妹でもある。父がどんな種牡馬でも好結果を残している母サクラサク2はきわめて優秀な繁殖牝馬だ。血統的にもおもしろい。Northern Dancerの強いクロスがあること、Special牝系のNorthern Dancer系血脈とMr.Prospectorを併せ持つこと、デインヒルを持つことなど、サクラサク2には父の成功パターンが幾重にも施されている。全姉エバーブロッサムを超える活躍を期待したい。

サトノラーゼン(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母トゥーピー)
 母トゥーピーは仏1000ギニー2着馬。このときは5馬身差の完敗だったが、勝ち馬が仏牝馬二冠など5つのG1を制した名牝Divine Proportions(通算10戦9勝)なので致し方ない。2代母Turpitudeは父ディープインパクトと相性のいいCaerleonとAureoleを併せ持つ。この血は魅力的だ。母の父Intikhabはエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーの父として有名で、ディープインパクトと相性がいいとはいえないRoberto系だが、他の部分で十分カバーしているので配合的な面白味がある。芝中距離でいいところがありそうだ。

ジーニアスドール(牝 栗東・村山明 父ゼンノロブロイ、母ベネンシアドール)
 ローズS(GII)とフローラS(GII)を勝ち、ジャパンC(GI)でも2着と健闘したデニムアンドルビー(父ディープインパクト)の4分の3妹。デニムの全妹ヤマノフェアリーも春菜賞(3歳500万下)を勝っており、いずれ重賞クラスに出世するのではないかと思われる。母ベネンシアドールは不出走馬ながら、トゥザヴィクトリー(01年エリザベス女王杯-GIなど重賞4勝)、サイレントディール(03年武蔵野S-GIII、07年佐賀記念-JpnIII)、ビーポジティヴ(02年クイーン賞-GIII)などの半妹にあたる良血で、トゥザグローリー(11年京都記念-GIIなど重賞5勝)、トゥザワールド(14年弥生賞-GII)とは4分の3同血の関係。ディープインパクトからゼンノロブロイに父が替わった本馬は、配合的に姉よりも見劣りは否めないものの、母方の奥にあるHyperionの塊がパワーとして機能すれば、ダートで大成するイメージも湧く。

フィドゥーシア(牝 栗東・松元茂樹 父Medaglia d'Oro、母ビリーヴ)
 半兄ファリダット(父Kingmambo)は、安田記念(GI)3着、阪神C(GII)2着など重賞上位の常連。ダート適性も高く、プロキオンS(GIII)3着という成績がある。母ビリーヴはいうまでもなく短距離界の女王で、スプリンターズS(GI)、高松宮記念(GI)など4つの重賞を制した。引退後はアメリカに渡って繁殖生活を送っている。この一族のスピードは、2代母グレートクリスティーヌが持つ強烈な父母相似配合が源泉となっており、ビリーヴにはどんな種牡馬を交配しても距離をこなす子は生まれづらいだろう。父Medaglia d'Oroは、Kitten's Joyと並ぶEl Pradoの最良の後継種牡馬で、年度代表馬に輝いた名牝Rachel Alexandraをはじめ多数の一流馬を送り出して成功している。Medaglia d'Oro産駒は日本ではダート向きだが、そのなかの1頭エーシンメンフィスは芝に替わって愛知杯(GIII)を制しており、配合次第では芝もこなす。芝短距離でGIを2勝したビリーヴが母なら芝をこなしてもおかしくない。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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