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函館記念の予想で注意するポイント

  • 2014年07月18日(金) 18時00分


◆巴賞の着順は逆転しやすい

 函館記念は巴賞組と重賞組で傾向が異なり、巴賞で一度できた序列は覆りやすいが、重賞組については素直に前走・近走の内容が良い馬を買ったほうがよい。

 そういう意味では人気の1頭、アンコイルドは巴賞が不本意な内容だったのが「逆に買い」ということになる。ただ、巴賞の負け組は人気が下がるからこそ妙味があるのであって、この馬のように過去の実績がありすぎる馬は配当妙味はない。また、巴賞負け組という趣旨からは、ゼロスにも忘れず目を配るようにしたい。反対にシゲルササグリのような巴賞を先行して好走してきた馬は、函館記念では馬券になりにくい。

 人気のもう1頭はグランデッツァだろう。安田記念組は大敗してきても問題ないので、前走の着順は気にしなくてよい。気にすべきは函館の路面がどうかだろう。2歳時とはいえ札幌で重賞を勝っている馬だしアグネスタキオン産駒にしては速い上がりを使えない馬なので向くようにも思うが、京都の超高速馬場を勝ってきたシーズンだけに、嫌ってみたいような気もする。△あたりにしておくのが無難かもしれない。

 アドマイヤタイシも函館ははじめてだが、血統を考えるとプラスに働くように思えるし、位置を取れる点も魅力。ただ枠順はちょっと極端なところを引きすぎた。七夕賞におけるアドマイヤブルーのようにならないかがちょっと心配だ。

 前走重賞好走馬という点ではラブイズブーシェに魅力を感じる。昨年は札幌記念時の極端な馬場でえらい目に遭ったが、「普通の函館」なら得意。休みらしい休みをとっていないが1走ごとの間隔は開けてきたので、デキ落ちは無いと見る。

 伏兵として興味深いのがバウンスシャッセ。クイーンSよりここのほうが斤量差を生かせると踏んでの参戦らしい。パワー型の馬場になっていたフラワーCを完勝しているあたりからも、洋芝の開催終盤というのはいかにも向きそうだ。

 レースごとにムラがあるのが、トウカイパラダイス。大阪杯ではカレンミロティックを潰して自身が2着に入る競馬をしながら、鳴尾記念では良いところのない大敗。函館記念はここまで4,5着と微妙なところだが、中京でも好走しているあたりからして路面は向くはずだ。展開次第で浮上がありそう。

 反対にコース替わりがプラスとは思えないのが、ダークシャドウ。エプソムCは好走できたが、いまの位置取りだと函館では苦しい。全盛期に札幌記念での好走歴があるが、それを現在、かつ函館にあてはめることはできない。

 アドマイヤフライトはやや距離不足だが、今回は最内枠なので少し意識する必要がある。ラチ沿いにうまく立ち回れば馬券圏内に入ってきても不思議ではない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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