◆古馬オープンでの初ダートは苦戦 G1実績があるものの近走不振な馬とG3レベルでまずまずの競馬を続けている馬の対決、という構図にまさかのタイミングで初ダートを試す2頭が加わり、複雑な構図になってきた今年のエルムS。皆さんはどのグループから入ろうとお考えだろうか。
G1実績馬2頭だと、
ローマンレジェンドのほうが馬券上の扱いは上としたい。ただ、東京大賞典を勝つまでの過程とそれ以降を比べると、明らかな違いはある。今回は中央のダートと楽な相手関係で浮上も可能だろうが、ここで大きい着順を取るようだと今後が厳しくなる。
グレープブランデーはより深刻な不振に悩んでいるが、着差としてはそうひどいものではないので、あまりに人気が落ちるようなら3連単の3着ぐらいには付けてもいいかもしれない。大型馬のうえに馬体重増減の大きいタイプなので、可能ならば馬体重発表まで待って取捨を決めたいところだ。
実績馬が近況いまひとつなだけに、人気は近走内容の良いジェベルムーサ、ブライトライン、ソロルといったところだろうか。
ジェベルムーサは捲りタイプのわりに一か八かの結果にはならず着順が安定している。ただローカル13頭立てだと、捲りのタイミングと展開次第では苦戦する可能性もある。アタマ付けが売れるようなら、逆に3連単では2,3着付けにしてみたい。
ブライトラインは遠征明けだが、休養も挟んだし最近の遠征帰りはそう大きなリスクにはならない。今回のコースだと、以前のような積極的な位置取りをしたほうが勝利には近づけると思う。
ソロルも位置取りが鍵になる1頭。前走は差しが2着まで届いたが、札幌であの競馬はリスキー。前のスタイルのほうが安全だ。
インカンテーションは位置取りという点ではよいのだが、初めての長期休養明けだけに多少は割引が必要か。また札幌のダートは芝ダート兼用っぽい血統が好走することが多く、そう考えるとこの馬はダート色が強い。
血統と位置取り、双方が魅力的なのが
クリノスターオー。前走の好走がフロックだと思われているかもしれないが、もしあまり人気にならないようなら買ってみたい馬だ。
エーシンモアオバーはエルムS好走歴もあるものの、タイプとしては地方のダートのほうが向いていると思う。ただ楽な単騎逃げになるとやはり残り目が怖い面はある。
フリートストリートは昨年の勢いが見られない。馬体重ひとつとっても好調時は安定していたが、その後は増減が目立つ。休み明けなら騙されたと思って買ってみる手もあるのだが、中1週だといきなりの変わり身は期待しづらい。
初ダートの2頭、
アンコイルドと
アスカクリチャンは個人的には見送るつもりだ。未勝利では初ダート大好きの私だが、古馬オープンでの初ダートはデータから見ても厳しい結果が出ている。確かにアスカクリチャンは芝で走っているのが不思議な血統でもあるが……。ちなみにジャイアンツコウズウェイ産駒のほうは、産駒成績全体だと芝ダートほぼ五分なのだが、初ダートは(2.1.2.14)で回収率が単57%・複45%。産駒の中で芝担当とダート担当が分かれている印象だ。