
浦河競馬祭のレース風景
JRA日高育成牧場内の特設会場にて盛大に開催された「うらかわ馬フェスタ」
浦河町の代表的な馬イベントであるシンザンフェスティバルと浦河競馬祭が合体して7月最終土日の二日間にわたり開催されるのが「うらかわ馬フェスタ」である。今年は去る26日と27日、JRA日高育成牧場内の特設会場にて盛大に開催された。
26日(土)は、夕刻5時半よりシンザンフェスティバルの前夜祭。この日は時折雨に祟られる天候となったが、夕闇が迫る午後6時過ぎくらいには何とか止み、会場には多くの来場者がつめかけてジンギスカンと生ビールによるカントリーパーティーを楽しんだ。
まず今年度の新ミスシンザン(鎌田結衣さん、上山愛美さん)が紹介され、前ミスシンザンの小野寺真悠さんと佐藤由香利さんからバトンタッチされた。

新ミスシンザンの鎌田結衣さん(左)、上山愛美さん(右)
次に過去1年間の浦河町内で生産されたG1馬表彰が行なわれた。今回、浦河産馬の成績はかなり好調で、高昭牧場=メイショウマンボ(秋華賞、エリザベス女王杯)、市川ファーム=ホッコータルマエ(JBCクラシック、東京大賞典、川崎記念)、辻牧場=ハッピースプリント(全日本2歳優駿、羽田盃、東京ダービー)、不二牧場=ハナズゴール(オーストラリア・オールエイジドS)が表彰対象馬。ステージに上がった生産牧場に表彰状が授与され、大型ビジョンに流される映像を見ながら関係者インタビューも行なわれた。
前夜祭のメイン行事はサラブレッド馬上結婚式。全国より応募のあった中から今年は森晃洋さん・美樹さん夫妻(浦河町在住)、と河本展明さん・雅美さん夫妻(大阪府)が選ばれた。定刻通りに、それぞれ儀仗馬車で会場入りすると場内につめかけた多くの来場者から盛んな声援が飛んでいた。2組のカップルはステージにて中島雅春・シンザンフェスティバル実行委員長から挙式証明書を手渡され、指輪交換の後、「愛の炎」をトーチに点火し、来場者から祝福を受けた。

儀仗馬車で会場入りする森晃洋さん・美樹さん夫妻

トーチに点火し、来場者から祝福を受けた2組のカップル
前夜祭はこの後、競馬グッズオークションが行なわれ、続いて「小島よしお」のトークショーで締めくくった。幸いにも前夜祭の間、雨は降らずに済んだ。
27日(日)はシンザンフェスティバルと浦河競馬祭が同時進行で行なわれた。浦河競馬祭では、軽種馬やポニー、和種(ドサンコ)など全10レースを実施。第1レースと第5レースが「第6回ジョッキーベイビーズ」の出場権をかけた北海道浦河予選となっており、この2レースの合計ポイントで争われる。
地元浦河を始め、中標津町(大西美廣さん)からの遠征組も混じって全7頭が出走した。レースはいずれも地力に勝るハク号に騎乗した宮内勇樹君(浦河小6年、浦河ポニー乗馬少年団所属)が圧勝し、来る10月12日東京競馬場にて行なわれる本選会に鉛を上げた。

ハク号に騎乗し優勝した宮内勇樹君
宮内勇樹君は小学校2年生より乗馬を始め、翌3年生より草競馬に出場しているキャリア5年目。父・秀二さんと母・優子さんとともに記念写真に収まった勇樹君は「東京競馬場でもしっかりと馬をコントロールし、負担をかけないように乗りたい」と語った。

父・秀二さんと母・優子さんとともに記念写真に収まった勇樹君
また、今回、シンザンフェスティバルにて初の試みとなる「第1回全日本馬キャラダービー」なる催しが企画された。出場馬?はターフィー(JRA)、ホクトくん(ホッカイドウ競馬)、ナナセちゃん(ホッカイドウ競馬)、リッキー(ばんえい競馬)、うららん(浦河町)、かわたん(浦河町)の全6頭。それぞれ体型が異なることを考慮して、あらかじめハンデをつけられた。このレースには予想馬券も発行(発売ではない)され、一番人気は、いかにも走れそうな体型からターフィー君が支持を多く集めた。

勢揃いした馬キャラたち
馬キャラがレースを行なうという無謀にして大胆な企画は高い人気を集め、特設会場内に用意され芝コースの埒沿いには多くの親子連れが見物に駆けつけた。
と、ここまでは筋書き通りだったが、スタートした直後に何と一番人気のターフィー君が外側の埒にぶつかり、そのはずみで頭部がポロリと「脱げて」しまうアクシデントが発生。周囲の子供たちから悲鳴が上がる騒ぎになってしまった。結局、レースは地元のうららんが1着でゴールし喝采を浴びた。

「第1回全日本馬キャラダービー」スタート地点
会場内には数々の露店が並び、キッズ冒険ランドやJRAホースショー、ポニー馬車などが人気を集めた。また27日には二度にわたり、お笑いコンビ・デンジャラスによるトークショーなども行なわれた。
朝は晴れていたが、途中、何度か通り雨に襲われるあいにくの空模様となったことから、人出は昨年よりもやや少なめであった。午後になってからも時折強く降る中、最後は恒例の餅まきならぬ「餅配り」で2日間のイベントの幕を閉じた。

人気の巨大滑り台
なお、来年はシンザンフェスティバルが30回目を迎える。一口に30年というが、、このイベントを取り巻く環境は年々厳しくなってきており、今後どういう形で守り続けて行くかが大きな課題となる。