歴史が浅いながらも見えてくる傾向
まだ歴史の浅い重賞だが、3歳限定のダート重賞は少ないことが関係し、連対してきた馬には決まったパターンがある。あくまでたった過去5年のことにすぎないから、過信してはいけないが……。まして、5年といえば聞こえはいいが、正確にはたった「過去5回」のことであり、データにはなりようがない。
ただ、3歳のダート重賞はごく少ないから、出走馬のローテーションが限定されているのは確かではある。
連対馬10頭のうち、4頭が「ジャパンダートダービー」の出走馬であり、残りのうち5頭は直前に古馬との対戦になった1000万特別を、しかるべき人気で勝ってここに駒を進めてきた馬。あと1頭は1000万特別を2着だった馬である。これは、古馬の元1600万条件馬、また、たまに存在する元オープン馬と互角以上のレースに持ち込んだことを意味する。
5回の記録など、たまたまにすぎないことを承知で、一応参考にすると、今年の該当馬は「1、4、5、7、10、14番」であり、ユニコーンSをジャパンダートダービーの次くらいのランクとするとき、「3番」が加わる。注目のG1馬
アジアエクスプレスは、別扱いで、ランキング上位馬として過去の連対馬と互角と考えるのが妥当か。
一度も波乱が生じていないのは、ダートでのランキング上位馬、実績上位馬の信頼性は高いから。言葉を変えると、ことダートでは「流れてくれなかった」とか、敗因を他馬に転嫁するような、多分に苦し紛れの敗因は成立しないことを示している。実力勝負になる。
これに、コーナーのきつい小回りの新潟ダートは、幅員までJRAのなかでもっとも狭い。簡単には追い込み型の台頭は決まりにくいことを合わせ、
アスカノロマンから入りたい。
G1馬となり、目下のところ3歳ダートランキング1位のカゼノコ(父アグネスデジタル)と、前々回、0秒2差のマッチレースを展開したあと、前走はしぶとい古馬1000万の人気馬を完封してみせた。
カゼノコと同じアグネスデジタル産駒に、もう少しミラクルホースの産駒らしい活躍をして欲しいという期待もある。一戦ごとにダート1800mの時計を短縮してパワーアップ中。牝系は魅力があり、4代母はノーザンダンサーの半妹になる。同型馬は少なくないが、ハイペースにはなりにくいコース形態を味方にしたい。2-3番手で流れに乗れそうである。
強敵は、ジャパンダートダービーの小差4着が光る
ノースショアビーチと、
レッドアルヴィス。アジアエクスプレスは、ビシビシ追った今回は前走とは動き一変。さすが朝日杯の勝ち馬、皐月賞も0秒4差の実力馬らしいところを示したから、アッサリのシーンもありそうだが、セール出身のアメリカ産馬。過去にある期間が過ぎたあとは、信じ難い下降線を辿った馬が多過ぎたから、今回は様子伺いの3-4番手とした。