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混戦を割って出る/新潟日報賞

  • 2014年08月15日(金) 18時00分


順当などという結末は最初からない

 除外馬も出たフルゲート「18頭」のハンデ戦。順当などという結末は最初からないと思えるところに、土曜の午前中を中心に「強い雨」の予報が出ている。

 少し前までの新潟なら、雨が降りつづいているならともかく、上がってしまえば雨の影響は少なかったが、芝の硬化予防策が施されている現在は、中京コースほどは大きな変化はないとしても、降雨によって以前よりずっと大きな時計差が生じるだろう。関屋記念と関連する7月末の中京記念はヤヤ重で1分37秒1の決着。2週前の500万条件の勝ちタイムが1分34秒3だったから、馬場差はきわめて大きかった。

 函館から転戦してきた牝馬チャーチクワイア(父ネオユニヴァース。母の父フレンチデピュティ)を狙いたい。この牝馬、通算成績【4-2-4-14】。連対6回は、芝1400mと、1600mに限られている。前回の函館1200mでは、外から一気に突っ込んで0秒2差に善戦しているが、やはり1200mは短かった。札幌にはもともと1600万の適鞍はなく、今年はもう次週に2000m戦があるだけ。チャーチクワイアは、こちらに回ってくるのが予定のローテーションであり、ベストに近い1400mなら北海道シリーズより好レースが可能だろう。

 牝馬とあってやや成績はムラだが、3走前は東京1400mの晩春Sを、好位から鋭く伸びて1分20秒5。うまく立ち回ったのは確かだが、今回も当時と同じ53キロ。少し時計を要すること必至の馬場だけに、混戦を割って出て不思議ない。

 先週の札幌で新馬勝ちした2歳牝馬カービングパス(コディーノの下)の一族。カービングパスの母ハッピーパスは、チャーチクワイアの祖母サンタフェトレイルの半妹になる。

 これら姉妹の長女になるのがシンコウラブリイ(父カーリアン)。チャーチクワイアが一族の代表馬シンコウラブリイのように渋馬場をこなせるかどうかは疑問でも、父ネオユニヴァース、母の父フレンチデピュティ。祖母の父ノーザンテースト。下手とは思えない。

 新潟の内回り1400mは、向こう正面が約700mもある特殊な形態なので、良でも外枠の不利はないが、馬場が渋るなら明らかにもまれない外の方が有利である。

 3歳とあって52キロのハンデが魅力のマジックタイムと、少々かかっても内回り(最後の直線は向こう正面の半分の359m)なら粘り込めそうなジョーオリオン、58キロのハンデが示すとおりランキング上位のカオスモス。この3頭が相手本線。

 阪神牝馬S小差のサマールナ、絶好調バクシンテイオー、夏型メイショウハガクレにも流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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