競馬番組を充実させるための工夫として様々な手直しが行われています。その根底にあるのが、若い馬たちの出走機会を確保する策です。2歳から3歳にかけて早い時期に勝ち馬を出すことで、春のクラシックレースに至るレースが面白くなります。多くの馬が競り合うことで、より強い馬が選ばれていき、本番のクラシックのレベルが上がることは容易に想像されること。「ダービーからダービーへ」の大きな流れをはっきりさせ、同じ世代同志のレースの意義を明確にする、この強い方針のもと、今年は、特に記念すべき年であったと思われます。
一年前に2歳新馬レースが6月から一斉にスタートすることになり、今年から、それがワンチャンスのレースとなりました。これにより、新馬戦の存在価値は大きくなる筈です。この新しい制度が、来春のクラシックにどんな影響を及ぼすことになるのか、今から注目されます。
今年の六大レース(五大クラシックに秋華賞を加えた3歳G1戦)を見ても、上位5着までに入った馬たちの8割が新馬戦を勝っていました。そして、タイトル馬の全てが初戦を勝っています。
この様に、これまでも新馬勝ちの意味は大きかったのです。それが一走化されたことによりどうなるのか。初戦勝ちすることで、その後の戦い方にゆとりが生じ、十二分に成長に合ったローテーションを組むことが出来ることは知られていますが、調教状況にあった使われ方が一歩前進した今年、新馬勝ちの意味は、その馬の判定材料を大きく指し示していることにもなります。
これに加え、3歳未勝利戦を早く切り上げる措置として秋の福島を春に移したことにより、2歳から3歳にかけて単独世代のレース数が増加したことで、クラシック出走枠をめぐる戦いが激しくなった点も看過できません。来春の3歳戦が楽しみです。