ワキノブレイブ 北九州記念の穴パターンにハマる/トレセン発秘話
◆ポイントは「1週前の週末」
「かかってこんかい」が決めゼリフ。超強気コメントで業界では有名だった夏村助手(現厩務員)が加藤敬厩舎の番頭をしていたころ、最終追い切りの感触を聞くと「ウチは1週前の週末が最終追い切りみたいなもの。それを見に来た方がええで」とよく言われたものだ。
当時、加藤敬厩舎は実質的な本追い切りを1週前の週末に済ませ、当週はしまいを伸ばすだけという調整方法を取ることが多かった。「今度見に行きますわ」と返事しながらも、ついに見に行くことはなかったが…。今でもこの調整パターンを取る厩舎はある。
例えば浅見厩舎。1週前の週末にビッシリ追い切って当週は坂路で4ハロン56〜58秒程度の軽めが定番。北九州記念に出走するスギノエンデバーも例外ではなく、こういう馬は最終追い切りに目を凝らしたところで、あまり意味はない。“視聴率”が低い週末の追い切りにこそ、馬券のヒントが隠れているのだ。
同じく北九州記念に出走するワキノブレイブは日曜(17日)に坂路で4ハロン52.9-12.4秒の好時計をマーク。清水久調教師いわく「馬場がめちゃくちゃ悪かったのに、あの時計ですからね。すごくいい動きでした」。手綱を取った黒岩(レースは国分恭)も「55秒ぐらいでいいかなと思って乗ったんですけど、あの時計ですからね。重い馬場であの動きにはビックリした」と証言する。
水曜(20日)の最終追い切り(坂路4ハロン53.8-12.1秒)にしても「最後までしっかり追っていたらラスト11秒台が出てましたよ」と話す黒岩。「短期放牧に出す前は少し硬さがあったけど、今はそれがない。状態は申し分ない」という。
先週末の超抜時計、直前の好稽古…デキの良さが伝わってくるワキノブレイブ。軽ハンデの差し馬という北九州記念の穴パターンにも合致とあれば、一発を期待していいのでは。
(栗東の坂路野郎・高岡功)