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小倉競馬の雄・坂口師の底力が見たい/トレセン発秘話

  • 2014年08月29日(金) 18時00分


◆今夏はわずか1勝のみ

 夏の小倉開催も今週を含め残り2週。西日本エリアの夏が終わりを告げようとしている中、「今年の夏はさっぱりやったな」と嘆くのは坂口調教師だ。

 毎年、夏の小倉開催に力を入れ、滞在する厩舎が少なくなった今でも関西トップの数を誇る馬を現地に滞在させるなど、地元九州の競馬にエネルギーを注いできたトレーナーだが、今夏は先週までにわずか1勝のみ。これまで夏の小倉リーディングを4回も勝ち取ってきた厩舎とは思えないほど、寂しい結果になっている。

「今はもう滞在より輸送競馬の方がいいってことなのかもな。ウチは2歳を小倉で使うし、若馬を何度も輸送させるのがかわいそうなので毎年滞在しているんだけど、小倉の調教施設ではやれることにも限りがあるし、稽古にも多くの時間をかけられないからね」

 エイシンサンサン(1994年)、エイシンイットオー(95年)、そして2010年のブラウンワイルド…。これまで何度も勝ち、毎年のように管理馬を出走させてきた次週のGIII小倉2歳Sにも、現時点では出走させる馬がいないという。

「2歳がまだ勝ち上がっていないんだから仕方ないわ。ウチの厩舎でこんなことは珍しいよ。まあ昔の小倉は皆仕上がりの早い馬を使っている感じだったけど、今はどこの厩舎もディープ(インパクト産駒)みたいな良血馬をどんどん早めに使ってくるから。そのあおりで以前みたいには勝てなくなっている」

 輸送手段の発達による現地滞在馬の減少と、新馬戦スタートを早めたことによる良血馬の早期始動傾向…。坂口師の嘆きからは、時代の移り変わりとともに夏の小倉も様相が変わってきていることを実感させられる。今週は日曜の天草特別(3歳上1000万下、芝1200メートル)のシンジュボシを筆頭に有力馬を多数出走させる坂口師。小倉競馬の雄として、残り2週なんとか底力を見せてもらいたいものだ。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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