◆秋以降の結果にも響くサマーシリーズ サマースプリントシリーズができて以降、北海道の2重賞と内地の重賞を行ったり来たりする馬が増えた。常識で考えると馬に負担がかかるはずだが、これまでの結果を見る限りシリーズ内のうちはぎりぎりなんとかなってしまうことが多い。ツケが来るのは秋以降で、その頃になったら夏に無理をした反動を気に掛ける必要がある。
今回はステップレースごとに見ていこう。
UHB賞組は6頭が出走。これまでの結果を見ても重賞組と比べて成績はいまひとつだし、今年は
スマートオリオンが函館スプリントS9着→UHB賞2着(しかも57.5キロ)なので、やはり重賞組とはちょっと差がある。
それでもシルシを回すとしたらスマートオリオンと
ブランダムールで、この2頭は先着馬であるというだけでなく前走の人気上位(今回出走する6頭中の)でもあるので、選択の余地はない。2頭とも時計のかかる馬場を得意とする短距離馬なので、このレースに対する本気度だけは期待できる。
アイビスサマーダッシュからは3頭が出走。その前走における着順では
フクノドリーム、過去の実績では
フォーエバーマークということになる。
パドトロワは2ケタ着順8連発中の7歳馬だし、さすがに推しづらい。
フォーエバーマークも6歳牝馬という通常なら繁殖に上がっているタイミングで、成績も明らかに昨年より落ちている。それでも見限れないのは馬場適性と先行力。差しタイプが案外だった場合にはこの馬の残り目もある。
フクノドリームは斤量面で有利な3歳牝馬。その若さで福島→新潟→札幌という転戦がこなせるかどうか。先述した通り、一般論としては意外と大丈夫なのだが、経験の浅い3歳馬という点が気になる。札幌替わりそのものは、1200mで時計の裏付けが無い馬なのでむしろプラスだろう。
函館スプリントSからは2頭が直接来るが、その前走が初の1200mだった
ローブティサージュは短距離慣れするかもしれない今回が楽しみな一戦。キーンランドカップ自体、前走位置が後ろで今回はある程度前という馬がよく好走するレースであり、前半の流れに乗れれば勝ち切るチャンスも十分だ。
高松宮記念から直行の
マジンプロスパーはその前走こそ最下位だったが、以前の実績を考えると馬鹿にはできない。「時計のかかる馬場だが、その馬場なりに速い時計の決着」というのが得意パターンなので、まずは良馬場でやりたい。
別路線組ではやはり
レッドオーヴァル。枠順から考えて外を回ることになるだろうが、後手後手になるとタイミングの問題だけでなく4角で外に振られることになるので、積極的に攻めたいところだ。
スノードラゴンは脚質に幅がない馬なのでどれだけ早めに動けるかだが、今回はコース的に苦しそうなので差しが届くコースに替わった場合の次走以降に期待したい。