乗り替わり14頭、波乱必至
夏のハンデ重賞は約束ごとのように波乱を呼ぶことになっているが、近年では、今週の新潟記念が一番荒れている。
多頭数が当たり前になった2006年以降、3着以内に、順に「9、10、16、12、10、9、9、10」番人気馬が飛び込んでいる。
そのうえ、9年も連続して1番人気馬が馬券圏内(3着以内)から消えているから、3連単は8年連続して「6ケタ以上」になり、3連複もまた8年連続して「5ケタ」以上を記録している。最近では、もっとも難しいハンデ重賞が新潟記念ともいえる。
今年は、七夕賞、小倉記念で連続して主導権を譲らず、平均ペース以上で飛ばしている
メイショウナルトがいるが、近年はスローに決まっている新潟2000mを、気分良く走らせるために田辺騎手はあまりペースを落とさずに行くのだろうか。新潟だから、今度は行くとは限らない。しかし、新潟だからこそ、ここ2戦と同じように行くなら、楽な単騎マイペース必至である。気分良く走らせないと凡走する馬だけに難しい。
また、最近では珍しいことでもないが、重賞競走なのに、乗り替わりになる馬が「14頭」もいる。うち9頭までがテン乗りである。最後の長い660mの直線を考えると、このコースの外回りでのテン乗りは、判断が難しい。
久しぶりに良馬場の2000mで戦うことができそうな
ダコール(父ディープインパクト)に期待したい。ここまで2000m重賞は「3、3、5、4、4、4、7着」。善戦止まりがいっぱいのように映るが、前回の小倉記念は稍重。前々回の七夕賞も実際には稍重。その前になる昨年の新潟記念が稍重。小倉記念も稍重。快走した七夕賞と新潟大賞典を挟んでその前の2000mは福島記念でやっぱり稍重。
良馬場が理想のダコールは、いつも望ましくない馬場状態で戦っているのである。父ディープインパクト。母の父は芝なら切れを生かしたい産駒が多いアンブライドルド、祖母の父はもともとは平坦コース向きのスピード系として出発のカロ、フォルディノ系。
今回は、馬場状態、コース、ツボにはまれば型が嫌いではない横山典弘騎手、レースの流れなど、逆転快走の条件がそろったところに、人気落ちの思い切って乗れる立場になった強みもある。伏兵に注目しなければ、的中の難しいレースだけに、ダコールから流したい。
もっと伏兵評価の
カルドブレッサ(戸崎圭太騎手)、
クランモンタナ(柴田善臣騎手)も、相手に加えたい。
小倉は、1200mならバネの効いたフットワークで差す形もこなせそうな、芦毛の牝馬
スノーエンジェルから入る。