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惜敗続き、セントウルSの休み明け組

  • 2014年09月09日(火) 12時00分


最初に結論を言うと、「セントウルSでは休み明けの馬が勝っていない」

 いまから10年前というとまだサマースプリントシリーズは始まっておらず、セントウルSもGIIIだった時代。しかしその頃からGIへ向けたステップレースとして一定の地位を保ってはいたので、ここでは過去10年のセントウルSをまとめて話の対象にさせていただく。

 最初に結論を言うと、「セントウルSでは休み明けの馬が勝っていない」。今回はハクサンムーンが人気になるだろうし、以下に記す基準だとトーホウアマポーラも対象となる。また、長期休養明けの実績馬・ダッシャーゴーゴーも当然対象となってくる。

 なにをもって休み明けとするかは人によるだろうが、過去10年のレース間隔別成績は以下のようになる(カク外は含まず)。

間隔 着度数     勝率 複勝率 単回収率 複回収率
連闘 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0 0
中1週 3- 2- 1- 21/ 27 11.1% 22.2% 68 135
中2週 1- 0- 1- 12/ 14 7.1% 14.3% 117 45
中3週 3- 1- 2- 42/ 48 6.3% 12.5% 97 63
中4〜8週 3- 0- 1- 8/ 12 25.0% 33.3% 188 72
中9〜24週 0- 4- 5- 30/ 39 0.0% 23.1% 0 50
中25週以上 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0 0

 ご覧の通り、中9週以上の馬は2、3着はするのだが惜敗が多い。ここには高松宮記念で好走していたような実績馬が多く含まれるにもかかわらず、である。天下のロードカナロアも2年連続で敗れているし、カレンチャン、ダッシャーゴーゴー、スリープレスナイト、キンシャサノキセキなど錚々たるメンバーがこの傾向に泣いてきた。

 過去10年で最もレース間隔の開いていた優勝馬はアルティマトゥーレとカノヤザクラで、アイビスSDからの中7週。それ以前だとテネシーガールの中9週があるが、今回のハクサンムーンはそれよりも長い間隔。本格的な休み明けでの勝利はマイネルラヴまで遡るが、当時はまだスプリンターズSが年末だった。

 馬連や3連複ならば関係のない話だが、WIN5でキャリーオーバーが出ている今週、アタマ前提の馬券を買う際には悩まされるテーマである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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