▲佐藤哲三騎手が熱い思いを語ったの引退会見の全文をお届します
9月16日午後4時、大阪市内にて佐藤哲三騎手の騎手引退会見が行われた。佐藤哲三騎手は2012年11月24日、京都10レースで落馬。その際、内ラチに激突し左上腕骨、左肩甲骨など全身に多数の骨折等の損傷を負った。大きな手術を繰り返し受けながら現役復帰を目指していたが、このたび自ら区切りをつけた。その全文をお送りする。(取材・文:花岡貴子)
――最初にご挨拶をお願いします。
「本日はお忙しい中、佐藤哲三引退発表(記者会見)に来ていただいて、誠にありがとうございます。また、この場所を提供いただいたJRAの職員の方々、ありがとうございました。今日はよろしくお願いします」
■代表質問(日刊スポーツ、鎌田氏)
――率直な現在の心境は?
「心境は変な感じですね。自分で描いていたものとは全然違うかたちなので。『なんやろな、これ』というかんじですね」
――落馬負傷が引き金になっての引退。これについては?
「落馬事故の怪我は常にあるだろうなと思って、それを怖がらずにレースしてきたつもりなので。今の結果については後悔してないとは言えないですけど、騎手として仕事していたらこういうのはあるのかな、と思っていました」
――最終的に引退を決断されたのはいつですか?
「うーん、最終的に決断するのはすごく難しくて。今年の1月、15時間の一番重要な手術がある中で、僕が思っている中で復帰がズレこんでいる中で自分の動かない手を見て感じたときに『これは復帰できるのかな?』という思いがありました。この大事な手術を受ける前にお医者さんにそれを聞くと、ダメって言われて手術を拒否しちゃうかもしれなかったので、その手術が終わってから先生に『正直に話してもらいたいんですけど』と(言いました)。
その中で『復帰は難しいな。でも、動かないものが動くように僕が手術するから最後まではついてきて欲しい』といわれました。そのあと、したくはなかったんですけど。嫌な思いもあるし。それは頑張って。そのとき、無理かなと思って。ケジメをつけようと思ったんですけど。最近、ここ1か月くらいカウントダウンかな、と思ったときに寂しく思いました」
――怪我というのは佐藤騎手にとって多かったように思います。
「そうですね」
――2007年は1年に2回、落馬で入院、リハビリをしましたよね。そのときも引退が頭にチラつきましたか?
「そのときは肩甲骨が折れました。お医者さんからは『もう、肩は上がらないから』と言われて。でも、そのときは