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◆穴馬を探すポイントは「先行力」

　ローズSは阪神芝1800m戦になって以降、オークス組の優位性が増している。ただ、オークスの着順通りに来るというわけではなく多少の入れ替わりはある。また今年はレッドリヴェールが春にダービーを選んでいたことで評価が難しくなっている。

　今年の桜花賞とオークスは上がりの構造が全く違い、桜花賞はラスト3Fが11.4-12.8-12.1。1着から7着までは道中の通過順が2ケタだった馬ばかりで、全体にバテつつ馬群の前と後ろが入れ替わったような形だった。

　一方オークスも差し・追い込み勢が来ているのだが、上がりは12.0-11.3-11.8。道中の4〜7ハロン目がすべて12.7秒か12.8秒だったこともあり、残り400mから鋭い脚を使う必要があり、ハープスターをもってしても物理的限界を超えられなかった。

　この世代は阪神JFも上がりは11.7-11.6-12.2。阪神の外回りでよく見られる、後ろから2ハロン目が極端に速くて最速ラップになる形にはならなかった。チューリップ賞も11.5-11.4-12.0である。その意味ではオークスは目新しい形だったのだが、それでもチューリップ賞・桜花賞と同じ2頭が来ているあたり、結局は適性でなく、強い馬は強いという結果になっている。

　そう考えるとヌーヴォレコルト、レッドリヴェールの人気2騎を軽視することは難しい。

　オークス馬はローズSでの取りこぼしが多いのだが、ハーツクライ産駒そのものは阪神芝1800mとの相性がかなり良く、これはヌーヴォレコルトにとって力強い要素である。

　レッドリヴェールはダービーで大敗させたことがどう出るか。無責任なようだが、こればかりはやってみないと分からない。最近私は「馬の鈍感力」という概念をよく使うのだが、馬には大敗させたことで一気にダメになってしまう個体と、次のレースではけろっとして走る個体がいる。予想する立場に置き換えると、悲観的に見るか楽観的に見るかということである。

　オークスからは他にブランネージュとサングレアルがここへ直行となり、この2頭はフローラSの2,1着馬でもある。

　この2頭は展開ひとつでアトサキが替わる関係だろう。阪神外回りでは先述したように後ろから2ハロン目が最速となることがあるが、仮にそこの加速が極端に急になったうえに上がりトータルも速いようならサングレアルが先着。このコースらしからぬ消耗戦になって上がりがかかった場合はブランネージュで、その場合は2強に割って入る可能性もあると思う。

　なにか穴っぽい馬を探すなら、ポイントは先行力か。今回は有力馬が差しタイプ揃いなので、同じ位置から穴をあけるのは簡単ではない。

　臨戦過程からということだと、まだ上位人気勢とは全く顔が合っていないヒルノマテーラ。前走条件戦好走馬はローズSでたまに複穴になるし、この馬自身が複穴をあけているようにマンハッタンカフェ産駒とこのコースの相性も良い。