ショウナンサンタ 雑草魂で“V字回復”なるか/トレセン発秘話
◆平田調教師が仰天したレース振り
「この馬がオーストラリアの準重賞に使うことになるなんて1年前に予想できた人間は誰一人いないやろうね」(梅田智調教師)
11月4日の豪GIメルボルンC(フレミントン競馬場、芝3200メートル)に出走するアドマイヤラクティの帯同馬として、現地のリステッドレースへの出走を予定している準OP馬アドマイヤイナズマに対しての発言だ。
「去年の今頃は未勝利を勝てず、地方に行ってなんとか勝ち上がったぐらいの馬が、芝を使うようになってからあっという間に出世して、海外のレースに出走…本当に馬は分からないよ」
現在、行われているスーパー未勝利戦が終われば抹消するか、地方に移籍して改めて勝ち上がりを目指すことになる未勝利馬たち。そんな底辺の戦いからアドマイヤイナズマのように奮起して出世を遂げる“雑草魂”を持った馬がいる。
7月22日、金沢の地方交流戦(ダ1500メートル)。勝つ気満々でビースティを出走させた平田調教師は2着に負けたショック以上に、3秒8もの大差をつけて勝った馬の圧倒的なレースぶりに仰天した。いわく「あの勝ち馬はとんでもなく強かったぞ。地方の小回りであそこまでぶっちぎるなんて、めったにないやろ」。
平田師をビックリさせたのはショウナンサンタ。
管理する中村調教師によれば「未勝利でいいところがないし、地方で使ってダメだったら抹消という話をしていたくらい。それが直線他馬が止まったかのような勝ちっぷり。時計(1分35秒1)も金沢の全クラスと合わせても一番速かったぐらいだし、自分でもビックリした」とか。
土曜阪神500万下、ダ1400メートルに出走予定のこの馬。アドマイヤイナズマのように今後“奇跡のV字回復”を見せるのか注目したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)