▲ロンシャン競馬場を経験し、本番をどう思い描いているのか
スタートが良ければ、前で競馬をしてもいいと
9月10日、ジョッキー生活18年目にして、初めてロンシャンの地を踏んだ。芝2000mの一般レースにリリエンタールで出走し、10頭立ての9着。結果は出せなかったけれど、凱旋門賞に向け、貴重な経験をさせてもらったと思っている。
テレビでしか観たことがなかったロンシャン競馬場は、コース自体は大きいけれど、思っていたよりこじんまりとした競馬場だった。自分が乗った日は馬場がすごく良くて、芝も極端に長いわけではなかったから、印象としては日本の洋芝に近い。ただ、やはり路盤はそれほど整備されていないようで、レース中は小さな“うねり”が終始感じられた。このあたり、時計が掛かる要因なのかもしれない。
凱旋門賞まで、あと10日と少し。馬が初めて行った場所で物見をするように、人間も初めての場所では大なり小なりストレスがかかる。その点、前検量から返し馬までの一連の流れを経験できたことで、余計なストレスを感じることなく、本番を迎えることができそうだ。今回のロンシャン行きは、自分がいくら強く望んだところで、周りの協力なくしては叶えられなかったこと。機会を作ってくださったオーナーの山本英俊氏、管理する小林智調教師には、心から感謝したい。
それにしてもジャスタウェイという馬は、この1年で本当に強くなった。
自分が初めて跨ったのは、まだデビュー前のノーザンファームしがらき。もともと