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神戸新聞杯は難しく考えずに格を信じる

  • 2014年09月26日(金) 18時00分


◆ワンアンドオンリーは安泰と言っていい

 今年の神戸新聞杯はダービー好走組の出走が極端に少ない。

 ダービー馬ワンアンドオンリーはいるが、ダービーの着順で2番目となると、なんと9着のスズカデヴィアスが2番目となる。またダービー5番人気以内馬もワンアンドオンリーとトーセンスターダムの2頭しかいない。

 神戸新聞杯が菊花賞に向けた最終プレップレースとなったのは2000年のことだが、それ以降で、ダービー掲示板組が1頭しかいなかったのは昨年、一昨年の2回だけ。この2回はともに唯一の該当馬が勝利した。他に「前走でダービー5着以内」が1頭しかいなかった(ダービー5着から他レースを挟んだ馬はいた)のが00年と07年。該当馬はそれぞれ2,1着。どちらにしても、ワンアンドオンリーは安泰と言っていいだろう。

 ワンアンドオンリーに取りこぼしがあるとしたら展開的なものだろうが、阪神芝2400mは差しの届きやすいコースで、逃げ馬の一発が決まりにくい。ここは難しく考えずに格を信じたほうが早い。

 さきほどの話に戻り、ダービー5着以内でなく8着以内馬が1頭という年は一昨年だけで、今回が2回めとなる。ダービー組が手薄なぶん、別路線組にチャンスがあるということになる。

 これまでの例だとラジオNIKKEI賞組がたまに穴を出すのだが、今年は不在。こうなるとあとは想像力と目分量で判断していくしかない。

 想像力ということなら、ウインフルブルームはダービーに出ていたら好走していたかもしれないという想像が成り立つ。安定味のある馬でもあるし、ワンアンドオンリーを1着に決め打ち、この馬を2着と3着に置くフォーメーションはしっくりとくる。

 ファンが伸びシロを期待しているということだとサトノアラジンだろう。春までは能力はあってもそれが発揮できないという印象だったが、夏の2戦では条件馬相手とはいえスムースな立ち回りを見せた。馬が変わったと信じるなら2番手評価まで可能だ。

 既に重賞級の実績があるということではトーセンスターダムももちろん無視はできないが、大敗を連続させた後、しかもダービーでは武豊騎手が左ムチに持ち替えているのに内ラチに突っ込むという不可解な負け方を見せた。休んですべてがリセットされていればいいのだが、リスクを内包しつつ今回まだある程度人気というのは馬券的には歓迎できない。

 ハギノハイブリッドも重賞勝ちのある1頭。阪神はデビュー戦以来、コースとしては初コースだが、血統的にはプラスと言いづらいコース替わりである。タニノギムレット産駒はこのコースで[1-2-2-24]。08年以降は連対馬が出ていない。下手に勝ちに行かず2,3着狙いで、しかもある程度タイトなラップになることが好走の条件だろう。

 個人的に期待しているのはヤマノウィザード。距離は良いはずだし、長距離GIにおける私の十八番、「母の父リアルシャダイ」だけに権利を取ってほしいものである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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