リュウジン 連戦でのデキ落ち心配なし/トレセン発秘話
◆さらに上積みが見込めるデキ
「競馬は2着馬が一番疲れるものだ」と主張する人がいる。抜け出して余裕を持ってゴールすることもある勝ち馬や、最後は無理せず流し気味にフィニッシュする後方着順の馬と違って、2着馬は最後の最後までビッシリ追われて、なおかつ勝ち切れないという内面のストレスも抱える…確かに言い得て妙である。
また競馬の仕方次第でもレース後の疲れの度合いが変わってくることがある。道中行きたがっている馬を必死に抑えながら競馬をすると馬の筋肉により負担がかかることがあるし、道中他馬にぶつけられる不利を受けた後などはメンタル面のダメージが残るものだ。
スプリンターズSに出走するマヤノリュウジンは7月から中京→福島→札幌→阪神と連戦中。さすがに今回は上がり目はないだろうし、下手したらデキ落ちの恐れもあると危惧していたのだが、最終追い切りに騎乗した池添いわく「息遣い、反応なんかは前走(セントウルS5着)より良くなってます」。ここにきてさらに上積みが見込めるデキにあることに驚いた。管理する庄野調教師がその理由を解説する。
「これまでは出して行って道中抑えたり行ったりという競馬をしていたけど、福島のバーデンバーデンCから後ろで構えてしまいを伸ばす競馬に徹しているからね。馬が気分良く競馬をしているからレース後の疲れも残らないんだろう」
新潟芝内回り1200メートルは圧倒的に先行馬有利だとか、内の芝が悪いものの時計が速く、そこまで追い込みが決まらないとか、気になる材料はいくつもあるが…。それでもスプリンターズSは◎マヤノリュウジン。セントウルSでのゴール前の強烈な脚を見た時から、本番もこれでいこうと決めていた。圧倒的に先行有利だった今開催の阪神開幕週であれだけの競馬をしているのなら、仮に先行馬場でも勝負になるはずだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)