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ワンアンドオンリー、トゥザワールド、トーホウジャッカルなど菊花賞分析

  • 2014年10月22日(水) 18時00分


先週は先週として終了。引きずらず今週のダービー馬に対する評価をしなければいけません

 まず最初に『ごめんなさい』と謝らなければいけません。秋華賞の◎ヌーヴォレコルト。レース当日の馬体重が増えていたことは、体調が良かったからこそ、というのはご理解いただけるかと思います。だから2着でもいいでしょ、というのは無責任だと思いますし、勝ったショウナンパンドラの体調の良さを強調できなかったことは反省すべき点だと感じています。

 100%的中することは難しい競馬ではありますが、単勝1.5倍の馬に◎を打って、2着はやっぱりいけません。ヌーヴォレコルトから単式馬券を購入された方には、本当にご迷惑をお掛けしました。これを引きずってしまうと、今週の菊花賞、ワンアンドオンリーに対する評価も難しくなってしまいます。だから、先週は先週として終了。あらためて、今週のダービー馬に対する評価をしなければいけませんね。

【菊花賞/ワンアンドオンリー】

 トレセンニュースでもお伝えしましたが、最終追い切りは「順調」という言葉がぴったりの不安を感じさせない動き。というよりも、併せ馬では手応えが劣勢になることが多いのに、今回は止まる相手を置き去りにしたという感じでした。

 もし、追い切り時計が遅ければ、相手が走らなかっただけという見方もできます。しかし、今回のように、横山典弘騎手が出していきながら、最後まで止まらないという動きはレースっぽい走り。追い切りで動いたからといって、レースで動かないというタイプではありませんし、中間の追い切り本数からも今回に向けて、調教内容から不安なところは一切ありません。

ワンアンドオンリー(10月21日撮影)

調教内容から不安なところは一切ないワンアンドオンリー(10月21日撮影)



【菊花賞/トゥザワールド】

 デビューから8戦。どの追い切りにおいても、しっかりと動いていて、調子の上下動はほとんどないというのが個人的な印象。私にとって、トゥザワールドは「優等生」という言葉がしっくりくる馬です。

 それは今回も変わりなし。最終追い切りのパートナーはラブリーデイでしたが、追走して楽に先着。1週前追い切りの時計が遅かっただけに、どのような内容になるか注目でしたが、これなら全く問題ないでしょう。あとは器用なレースをして、どこまで上位争いできるか、といったところ。

トゥザワールド(10月21日撮影)

1週前追い切りの時計が遅かったものの今週の内容から全く問題ないトゥザワールド(10月21日撮影)



【菊花賞/トーホウジャッカル】

 デビューから6戦というキャリアですが、最もレース間隔があいたのは、玄海特別の中4週。今回も中3週ということで、使われ続けている疲労があるのかないのか。これが一番重要なポイントになると思っています。

 ただ、1週前追い切りでは、これまで通り、速い時計の追い切りを消化。最終追い切りは終い重点になり、4Fは54.7秒と遅くなりましたが、ラスト1Fは11.9秒。動き自体は切れ味十分だっただけに、特に減点する材料はないと思いますが、4F時計が遅すぎる点は看過できないような気もします。

トーホウジャッカル(10月21日撮影)

4F時計が遅すぎる点は看過できないような気がするトーホウジャッカル(10月21日撮影)



【菊花賞/サウンズオブアース】

 京都新聞杯2着後に出走した日本ダービーでは、かなり状態が下降した中での一戦でした。今回も神戸新聞杯で2着した後は、あまり良い状態ではなかったと思います。しかし、懸命のケアがあったこともあり、最終追い切りはCWで併せ馬という、通常時と何ら変わりない調教を行うことができました。

 全体時計がかなり遅くなりましたが、ラスト1Fは11.2秒。素晴らしいという言葉以外に見つからない、抜群の動きを見せてくれ、併せた相手エーシンハクリューを置き去りにしました。追い切りを見るかぎり、折り合いの不安もなく、決して3000mが長すぎるということはないような気がします。

サウンズオブアース(10月22日撮影)

素晴らしいという言葉以外に見つからない抜群の動きだったサウンズオブアース(10月22日撮影)



【富士S/ステファノス】

 前走セントライト記念が見せ場ある4着。それだけに菊花賞路線を歩むと思いきや、同じ週のマイル重賞へ出走。3歳ではありますが、皐月賞5着を考えると、十分に上位争いできるだけの力は持っているはず。

 最終追い切りが坂路というのは今までにないパターンですが、距離や東京競馬場ということを考えれば、プラス材料でしょう。また、時計の要する馬場で2F24.5秒、なおかつ、ラスト1Fが最速になるラップはベスト。ここを勝つようなことがあれば、マイルCSの連覇を狙うトーセンラーにとっては、同厩舎から最大のライバルが出現することになるかも知れません。

◆次走要注意

・10/18 東京 府中牝馬S【レイカーラ】(9人/7着)

 堀宣行厩舎の鉄板スポットであったことから、No.1予想のコラムでも◎を打ちました。だからというわけではありませんが、スタートしてから、あの位置取りでは、この着順が精一杯ではないでしょうか。
 一時の不振を脱却したように見えますし、次走は堀宣行厩舎の勝負調教に該当すれば、必ず勝機が訪れるような気がします。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以下]堀宣行厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・10/19 東京 2歳未勝利【アミフジタイカン】(5人/11着)

 レース前半は外枠から先行して、よい位置を取ったと思いましたが、最後の直線は余力なし。距離が長いというよりは、中央場所では明らかに力不足です。
 ただ、スタートセンスなど、未勝利を勝ち上がるものは持っており、福島芝1800mか芝2000mあたりなら、あっさり逃げ切ることができそうです。

[メモ登録用コメント] [福島芝1800m以上]調教タイプが馬ナリ平均トラックか標準トラックなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【オメガハートソング
 2回目のハローが明けた時間帯でしたが、多数追い切りが終わった後、荒れたウッドチップ。前後で追い切られている馬が、軒並みラスト1F14秒近く要する中、ユイマールとの併せ馬で1F13.4秒。
 確かに岩田康誠騎手が跨っていたこともありますが、最後までヨレることなく、まっすぐ駆け上がったことも評価できます。10月25日(京都芝1400m)のデビュー戦から楽しみです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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