3歳馬は有力馬なら凡走は少ない
雨をもたらす前線の移動は早まり、土曜日の雨の影響は、天皇賞の行われる日曜日の午後には、ほとんどないとされる。良馬場が期待できる。
当然、人気の中心だが、3歳
イスラボニータ(父フジキセキ)の勝機大と考えたい。秋の天皇賞が2000mになり、かつ、3歳馬の出走OKとなったのは1987年から。ここまでの27年間の年齢別の成績は次のようになる。
▽3歳馬【2-5-2-19】勝率7%/連対率25%
▽4歳馬【15-11-10-106】勝率11%/連対率18%
▽5歳馬【8-9-11-113】勝率6%/連対率12%
▽6歳上【2-2-4-123】勝率2%/連対率3%
圧倒的な良績を残しているのは、充実の秋を迎えている4歳馬であり、27年間の勝ち馬の半数以上を占めている。出走数も多い。
ところが、今年は中心になるはずのその4歳馬が、
エピファネイアなど、たった3頭しかいない。どの世代とて、ここに出てくるのは世代のトップ数頭に限られるから、過去の傾向からすると、世代レベルなど関係なくマトは絞れるとするアプローチはあるが、たった3頭は変である。
理由の一つは、キズナなどが休養しているため。もう一つ大きな理由は、現在の5歳世代がツブぞろいで層が厚いため、重賞路線を中心に勢力を広げている。そのため、すぐ下の4歳世代、さらには3歳世代も押さえ込まれているからである。天皇賞・秋での4歳世代活躍は、今年は当てはまらない危険はある。
一方、レベルの高い可能性が非常に大きい5歳世代は、当然、強気になれる。ジャパンカップを2連勝している
ジェンティルドンナ、天皇賞・春を2連勝し、3歳時の一昨年に1番人気で2着の
フェノーメノ。やっと本格化してきた
スピルバーグなど。
しかし、ルメール騎手が乗れることが分かったから、ここで蛯名騎手のお手馬がかち合っても大丈夫となり、菊花賞ではなく、最初から距離を考えるなら本線としてきたここに出走した3歳イスラボニータの魅力は大きい。
少数精鋭の挑戦になる3歳馬は、バブルガムフェロー、シンボリクリスエスが勝っているだけだが、連対率25%が示すように、有力ならまず凡走はない。27年間で、3番人気以内に支持された馬は、オグリキャップから、
カレンブラックヒルまで7頭いる。その成績は「2、1、1、3、3、2、5、2」着である。まして、皐月賞を制しダービー2着のイスラボニータは、バブルガムフェロー、シンボリクリスエスより、この時点でのランクは確実に一枚上である。
自在性でも上回るから、先行有利の流れになっても大丈夫。スローはむしろ歓迎。外枠は確かに有利ではないが、最初から多くの馬が内に寄りながら進むことのできる古馬のG1は、下級条件とは違う。最近10年間、5頭の勝ち馬が馬番10番より外である。イスラボニータから入る。
人気の集中する組み合わせではないから、嫌う馬は作らない。素直に馬連流しと、3連単の頭に据える。最大の相手妙味は、まだ総合力不足だった3歳時に1分57秒7。2着フェノーメノとは0秒3差の5着にねばっているカレンブラックヒルか。