JRA創立50周年事業の中で特に意味深いのが、中央競馬の発展に貢献のあった調教師と騎手計10名の方々の功績を称え、顕彰者として後世に伝えることです。
顕彰馬制度がスタートした時、人の表彰もあっていいのではという声もあったのですが、様々な立場があって、とてもひとつにまとめる情況ではありませんでした。今こうして顕彰者の制度が実現できたのは、それだけ日本でも競馬が認められたということではないでしょうか。
東京競馬場の中にある競馬博物館のメモリアルホールで、10名の方々についての展示や紹介がなされるので、少しずつでも多くのファンの記憶に残るようになっていけばと願うばかりです。
それにしても、多くの方が、物故者であることが残念でなりません。1月26日の授賞式に御本人が出席されたのは、松山吉三郎さんと、保田隆芳さんだけでした。二本柳俊夫さんと、福永洋一さんは自宅で療養中、他の6人が他界されていて、月日の流れを感じました。
特に、野平祐二さんと稲葉幸夫さんは平成13年に亡くなられたばかりで、もし元気だったらどれだけ喜んだことかと、代理で出席された親族の方々は語っておられました。
調教師も騎手も、一定の選考基準を満たしておれば、引退後の表彰はあると思うので、これでひとつの目標ができた方々もいるわけです。是非、ご本人ともどもの受賞であることを祈り、この制度が広く認知されるように、見守っていきたいものです。
名馬の顕彰のされ方も、やがて新しいルールが決定し、久々にメモリアルホールを飾ることになるでしょう。創立から半世紀、日本の競馬が、文化としての新しい局面を迎えることになりました、真の発展は、こうしたところからも成されるもので、ようやく一歩踏み出したということです。名馬メモリアルレース共々、嬉しい出来事です。