持続する切れ味をフルに爆発
G1ホース6頭を筆頭に軽視できない候補が揃っているところへ、この秋のG1はスプリンターズSからここまでの4戦、すべて重賞未勝利馬が勝ち続ける流れも重なり、人気はかなり割れている。人気の分散は、大波乱の可能性は少なくなるが、どの馬から入ってもそれなりの好配当を約束する。中心に据えたい馬を決定できたら、こういう大混戦のなか、もしその馬が馬券圏内に快走してくれたとき、どういう種類でもいい。なんとか的中に結びつけたい。せっかく狙いの馬が快走したのに、その組み合わせはない。それだけはダメ、という後悔のレース後は避けることにしたい。丸外れなら、反省するのみ。後悔はない。
スローに近い流れが予測される。行く馬は少ない。ならば…という人馬は出現するだろうが、みんなチャンスありと考えているから、飛ばす策は取りにくいだろう。
4歳の今年は、重馬場の内枠でもまれ、8番人気で9着(0秒6差)に終わった3歳時の昨年より大幅に総合力アップは間違いない
ディアデラマドレ(父キングカメハメハ)を狙いたい。
6月のマーメイドSの快勝は、スローのなか、早めに3コーナーからスパート態勢に入った好騎乗と、53キロの軽ハンデが勝因とみえた。1600万下の条件馬として勝ったあたりは、明らかに地力アップだったが。
だが、前回のG2府中牝馬Sの快勝は中身が濃い。高速馬場での上がりだけの勝負で好走した府中牝馬S組は信用できないことが多いが、前半1000m通過59秒2、レース上がり34秒2、勝ち時計1分45秒7なら東京1800mらしい総合力勝負だろう。昨年、府中牝馬Sから本番で惜しい3着だった
アロマティコは、上がり32秒4でも、超スローで1分49秒1が府中牝馬Sの中身だった。
4コーナーで大外に回った1番人気の
スマートレイアーの横に並びかけながら伸びたディアデラマドレは、上がり33秒2で差し切り勝ちしたというより、外のスマートレイアーに最後は持続する末脚で競り勝ち、半馬身抜けたように映った。
明らかにパワーアップし、切れ味だけのディアデラマドレではなくなっている。06年、4歳だった母ディアデラノビアは府中牝馬Sを1分47秒5で3着し、本番の女王杯は2分11秒6の好時計でクビ、クビ差の惜しい3着だったが、印象は総合力で母に追いつき、上回ったのではないかと思えた。
充実を示すディアデラマドレは、これで全5勝のうち4勝が、秋の9-11月に集中する。昨年のこの時期も状態は良かったが、今年はさらにデキがいいと思える。今年、先週までにJRAですでに44勝(重賞3勝)の藤岡康太騎手は、初めて騎手ランキング上位20位以内に躍進するほど自信をつけている。スローからの差し比べになるとき、前回の府中牝馬Sで確信したはずの持続する切れ味をフルに爆発させてくれるはずだ。
まず、G1だから単、複。これなら相手が抜けても、それは仕方がない。昨年、悔しい3着だったアロマティコ、オールカマー2着の
ラキシス本線に、連勝は少し手広くいきたい。人気上位でないところでは、
フーラブライド、
キャトルフィーユは買いたい。