今週の坂路追いで時計がかかっても心配がいらないワケ/トレセン発秘話
◆あのエピセアロームも苦戦
今週の坂路は相当悪いコンディションなのだとか。理由はウッドチップの入れ替え工事。今月6日から段階を踏んで行われ、19日現在では残り400〜200メートル標識の間まで進められている。
イメージは湧きづらいだろうが、追い切り動画などでコース脇に赤白の細いポールが立っているのを確認できるだろう。そこが入れ替えが終わっている境界線。よく目を凝らせば、ウッドチップの色がその地点を境に変わっているのが視認できる。工事によって投入されたこの新しいチップが十分こなれていないため、とにかく滑りやすい馬場になっていて危ないのだとか。
次週の京阪杯を予定している石坂キュウ舎のエピセアロームは坂路の馬場がいい悪いにかかわらず、毎回絶品の稽古を見せる馬なのだが、そんな“高性能車”でも「馬場が悪過ぎて、バランスを崩しそうになっていた。この馬には珍しいこと」(桑村助手)というからよっぽどなのだろう。
もちろんウッドチップの老朽化による交換は定期的に必要なこと。ただし、この工事前に「坂路の馬場状態が悪いから替えてくれ」という現場の声は上がっていたのか? 秋のGIシーズン真っ盛りの入れ替え工事に「何もこんな時にやらないでもいいだろう」という不満の声は耳に入ってきているが…。しかも、これからは霜が降りてきてより滑りやすくなるシーズン。大舞台に向けて細心の仕上げが必要になるキュウ舎サイドにとって余計な気苦労が増えているとしか思えない。工事の時期に関しては今後改善の必要があるだろう。
最後に馬券に絡む話。今週の坂路、特により馬場が悪化した後半の時間帯に追われた馬は、いつも以上に時計がかかっていたとしてもそこまで気にする必要はないことを強調しておきたい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)