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コパノリッキー、ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンドなどチャンピオンズC分析

  • 2014年12月03日(水) 18時00分


金曜日の馬場でダグを踏む姿を見て「ほんと良くなったなあ」と感じていたエピファネイア

 先週のJC。当コラムでは取り上げていませんでしたが、エピファネイアの最終追い切りは全体時計が遅く、これがどのように影響するかと心配しましたが、ここには「木曜追い」という、いつもとは違った曜日での追い切りが関係していたことを金曜日の調整で知りました。その金曜日の馬場でダグを踏む姿を見て「ほんと良くなったなあ」と感じていたのですが、レース当日にどんな気配になるか想像できなかったため、◎を打つことはできませんでした。

 結局、▲止まりでしたが、当日のパドックや返し馬を見ていると、たぶん勝つだろうという感じ。3連単の1着エピファネイアという馬券もありましたから、◎デニムアンドルビーが2着3着で大丈夫、なんて思っていたら、なんのことないハズレ。それにしても、スローになると思っていたら、サトノシュレンにあれだけみんながついていくとは。ペースや馬場次第で天皇賞・秋の着順がガラリと変わってしまうのですから、やっぱりこのメンバーでは力差はないのでしょう。

【チャンピオンズC/コパノリッキー】

 1週前追い切りはCWで単走。その動きには躍動感があり、非常に好印象だっただけに、最終追い切りもかなり良いイメージを持って、その道中を見守っていました。ただ、6F標識地点では遅いラップで通過し、このあとはどうするのだろうという感じ。

 すると、コーナーで一気に加速して、あとは先行していたダノンクリエーターを交わすだけという展開。ただ、追っても伸びる雰囲気がないコパノリッキー。結局、遅れたままゴールして、最後は13.1秒を要してしまいました。全体時計は6F83.6秒ですから、決して遅くない追い切りでしたが、これは判断の難しい動き。好走時と比較すると、ラスト1Fは遅すぎるという客観的な見方を重視すべきかも知れません。

コパノリッキー(12月3日撮影)

好走時と比較すると、ラスト1Fは遅すぎるという客観的な見方を重視すべきかも知れないコパノリッキー(12月3日撮影)



【チャンピオンズC/ニホンピロアワーズ】

 トレセンニュースでもお伝えしましたが、1週前追い切りは珍しく併せ馬。最終追い切りは単走だろうと勝手に想像していましたが、今週も併せ馬。厩舎コメントとして、先週の併せ馬を気合を乗せるため、という内容が発表されていただけに、現時点でも気合不足ということなのでしょうか。

 道中はそれなりに速いラップで通過し、最後の直線で相手を突き放す動き。6F81.4〜5F66.5〜4F52.3〜3F39.0〜1F12.8秒は、1週前追い切りよりも全体時計がかなり速くなっています。もちろん、この点は評価したいのですが、先週から普段の調教日に馬場から厩舎へ戻る途中に嫌々する仕草などを見せている点が少し気になります。

ニホンピロアワーズ(12月3日撮影)

先週から普段の調教日に馬場から厩舎へ戻る途中に嫌々する仕草などを見せている点が少し気になるニホンピロアワーズ(12月3日撮影)



【チャンピオンズC/ローマンレジェンド】

 過去2回のジャパンカップダートは「みやこS」からのステップで出走しましたが、今年はエルムSから、レース間隔があくような形のローテーションを選択。偉そうな言い方に聞こえたら申し訳ありませんが、さすが藤原英昭厩舎、2回失敗したローテーションではなく、策を練ってのGI挑戦という気がします。

 それは最終追い切りにも表れました。最終追い切りに登場した馬場はBコース。これはデビュー以来、初めてのこと。Bコースはダート馬場なので、前走時の函館ダートと同じ。併せ馬も二段階にするなど、前走時の追い切りそっくりと思える内容でした。これで結果が出なければ、と思える調整過程ではないでしょうか。

ローマンレジェンド(12月3日撮影)

これで結果が出なければ、と思える調整過程のローマンレジェンド(12月3日撮影)



【チャンピオンズC/ホッコータルマエ】

 1週前追い切りは、お世辞にもよいとは言えない、重苦しい動き。ラスト1Fの推進力が全くなかったという感じです。それに比べると、随分と動けるようになったのが、最終追い切りでしょう。

 前半をゆったりと進めた分、ラストが伸びた印象はありますが、ラスト1Fが最速ラップ。併せたホッコータフネスにもきっちり先着できました。大して調教で動いていなかった前走のことを思えば、今回の方が走れる態勢が整ったと考えるべき。ただ、本当の絶好調までには、まだ時間を要すると思われるので、それを忘れてはいけないでしょう。

ホッコータルマエ(12月2日撮影)

本当の絶好調までには、まだ時間を要すると思われるホッコータルマエ(12月2日撮影)



【金鯱賞/ウインバリアシオン】

 1週前追い切りはCWで藤岡康太騎手を背に、時計的にもビジュアル的にも上々の内容。最終追い切りもCWだろうと思っていましたが、やはり脚元のこともあってか、坂路馬場を選択。この追い切り馬場の変化は仕方ないところでしょう。

 プランスペスカを追走する内容でしたが、非常に軽快な動きで楽に先着。4F54.5秒は少し遅めですが、ラスト1F12.6秒で最速。きれいな加速ラップを踏むことができ、内容は特に問題ありません。普段のキャンターの様子などを見ていても、特に気になるところはなく、無事なら結果を出してくれる。そんなイメージが湧く、この中間の調教内容です。

ウインバリアシオン(12月2日撮影)

調教内容は特に問題なく、無事なら結果を出してくれる、そんなイメージが湧くウインバリアシオン(12月2日撮影)



◆次走要注意

・11/29 京都 2歳未勝利【アスタキサンチン】(10人/11着)

 全く見せ場のないレースに終わり、このまま勝てないで引退すると思われる方も少なくないでしょう。ただ、追い切りの動きを見ていると、きっかけひとつですぐに勝ち上がることができると思います。
 追い切りなどはこれまでと変わりなく、最終追い切り坂路でラスト1Fが最速ラップが理想。ひょっとすると、力のいる中京芝なんかに適性があるかも知れません。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・11/30 京都 白菊賞【ルアンジュ】(5人/7着)

 前走は後方から進めて、メンバー最速上がりをマーク。ですから、今回のように先行すれば、脚がなくなるのは当然。絶対に脚をためるべき。
 そのためには、直線の長い外回りが理想的。もしくは中京でしょう。そこでラスト1F最速ラップの追い切りなら。

[メモ登録用コメント] [直線長いコース]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・鳥羽特別【フィリラ
 藤岡健一厩舎の調教調教に該当する、DPで追い切って、ラスト1Fが速い時計。その動きは軽快で、いかにも休み明けで好走しそうなパターン。一緒に併せ馬を行ったエレディータも、いつ勝ってもおかしくないはず。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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