長距離路線は世代交代が遅い
エリザベス女王杯を4歳馬ラキシスが制したのにつづき、先週のジャパンCも4歳エピファネイアの独走。さまざまなチャンピオンを送る現5歳世代の層が厚いため、直ぐ下の4歳世代、3歳世代は部門のトップに立つことが少なかったが、世代交代は確実に進んできた。ましてもう12月。あとひと月もしないうちに年齢が変わる。
ベテラン勢強しの時代がつづいたダート界も、近年は、日曜のチャンピオンズCで人気のコパノリッキー。さらにクリソライト、ベストウォーリアなどの4歳馬は最初からダート専門の出走であり、途中からの方向転換ではないから、芝部門と同じように4歳馬、5歳馬が中心になる世代交代の波が訪れるのが早くなっている。
ただ、ステイヤーズSの長距離部門は、タフでスタミナ能力のある馬ならベテランになってもそうそう簡単に姿は消さない。12年に10歳で勝ったトウカイトリック、11年に8歳で勝ったマイネルキッツは別格としても、5歳以上のベテランが活躍しつづける。ステイヤーズSを複数回好走するスタミナ型は少しも珍しくなく、ステイヤーズSを2回制した馬は、史上5頭も存在する。
昨年、このレースを最近のなかでは好タイムの3分45秒2。自身の上がりは35秒4でまとめ、3馬身半差の圧勝だった
デスペラード(父ネオユニヴァース)の連勝に期待。
通算【8-3-2-20】の成績が示すように、ちょっとムラで気難しい面はあるが、この3600mの重賞を3着、1着など、3000m以上は【2-1-1-2】。昨年も抜け出してあっという間に差をつけ、まるで中距離戦のような鋭さを見せつけたあたり、スタミナ能力には抜群のものがある。前回からブリンカーを装着しているが、この馬の場合これは、余計なことに気を取られず、まじめに走ることに集中するという効果がある。
横山典弘騎手は、このレース現役最多の4勝を記録し、ペース判断、スタミナ配分に圧倒的な実績を誇る。今春、天皇賞・春3200mで0秒0差に突っ込んでみせた
ホッコーブレーヴ(父マーベラスサンデー)と、昨年は強気にスパートして残り200mまで先頭だった
クリールカイザー(父キングヘイロー)の2頭が本線。
ステイゴールド産駒の、
マイネルメダリスト、
ケイアイチョウサンが妙味ある穴馬。連の押さえが
ファタモルガーナと、
スカイディグニティか。