個人的に大きいと思っているのは距離短縮組・延長組の力関係
舞台を阪神に移した朝日杯FS。同じ1600mでも違いは出てくるのだろうか?
分かりやすいところでは、関西馬がさらに優位となることが予想される。2歳馬で初めてのGIが輸送……などということになるとそのリスクは軽視できないものがあり、その有無が東西入れ替わる影響は多いだろう。
もうひとつ、個人的に大きいと思っているのは距離短縮組・延長組の力関係だ。中山・阪神ともこの距離は全年齢で前走距離別成績を取ると同距離>短縮>延長の順になるのだが、2歳戦に限定すると中山は1400m組が延長をこなす傾向が強まり(積極的に買いというほどではない)、阪神は短縮組のあける穴が目立つ。
阪神芝1600mで改修後に行われた2歳戦は125レース。勝率・複勝率で短縮組が同距離組を逆転してくるし、短縮組の回収率は単101%・複103%と高い。この高さは少数の穴による影響が大きいが、それを考慮しても複回収率は短縮>同距離>延長。前走で1600mより長い距離(多くは1800m)を使おうと厩舎が意図するような、スタミナに余裕のある馬がベターだということになる。
先に同じコースで行われている阪神JFは、差し追い込み馬ばかりが勝つレースとなっており、今年のショウナンアデラも4角は12番手。そして、レースのラップは最後11.5-12.3とかかって終わっている。ここのギャップが0.8秒というのは小さいほうで、1秒以上という年も多いし、逆に10年の11.2-11.6というような形は珍しい。
中山時代の朝日杯は、ラスト2ハロンのギャップが小さいレースで、例外は06年の1.1秒くらい。昨年は0.3秒差、その前は0.3秒、0.2秒、0.4秒。09年はマイナス0.1秒だ。阪神JFのほうが「実は最後みんなバテている」というテイストを感じる。牡馬と牝馬の違いはあるが、仮に朝日杯のラップが阪神JFに似ていくとしたら、レースの質も変わってくるはずではないだろうか。