スマートフォン版へ

関東馬「栗東滞在」の真の効果/トレセン発秘話

  • 2014年12月19日(金) 18時00分


◆朝日杯の栗東滞在関東馬に警戒

 阪神JFでの関東馬の栗東滞在は、もはや恒例行事になった感もあるが、舞台を阪神に変えた途端、朝日杯FSも関東馬3頭が栗東に滞在。正直、最初に思ったことは「これまで来た関東馬と同じように、栗東の坂路や逍遥馬道の優秀さを強調することになれば、またしても美浦との設備の差がクローズアップされて、関東陣営にとっては自らの首を絞めることになりかねないのでは」という、おせっかい的な心配事だった。

 しかし、ブライトエンブレムの小島茂之調教師の話を聞くと、そんな心配も吹き飛んだ。いわく「馬は常に変わっていくものだし、輸送した後で自分がイメージしていたものと違う姿になっているのは、よくあること。特にデビューしてから1年にも満たない2歳馬にとって、これだけの長距離輸送は経験がないから、より輸送前のイメージと違った姿になってしまう可能性が高い。そうしたリスクをできるだけ軽減するために、朝日杯に使うのなら絶対に栗東に入りたいと思っていたんです」。

 栗東に滞在させる関東の調教師は、滞在の経費はもちろん、以前より少なくなったキュウ舎人員の中でのスタッフの派遣…様々な代償を払いながら、よりよい状態で馬を出走させようと苦心している。こうした、きめ細かな行動を取るトレーナーが結果を出すというのも、ある意味当然なのだろう。

 栗東滞在の関東馬が大舞台で好成績を残すのは、栗東の坂路や逍遥馬道の効用よりも、もっと違うところにある…小島茂師の話を聞いて、そう痛感した次第だ。朝日杯FSの栗東滞在関東馬には、やはり大いに警戒が必要だろう。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング