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GI好走歴がある馬と今回斤量増で臨む馬の中山金杯での取捨

  • 2015年01月03日(土) 18時00分


◆例年よりメンバーレベルが上がっているように感じる中山金杯

 今年の中山金杯は、有馬記念の出走ラインが高かったこともあって例年よりメンバーレベルが上がっているように感じる。

 その中でも、GI好走歴があるロゴタイプラブイズブーシェは今回人気上位に推されそうだ。

 クラシックホースが中山金杯に出るケースが過去にあったか調べてみたところ、昭和61年以降では皆無だった。中山のハンデGIIIに出たのは七夕賞が中山施行だった年のキャプテントゥーレ(12着)以来。その前はダービー卿CTのダイワメジャー(1着)まで遡る。中山に限らず「クラシック馬のハンデGIII出走」となるとそのダイワメジャーが最後の好走例で、その後は4頭がのべ6回出走していずれも着外だった。

 ロゴタイプの場合は近走もある程度走っているし中山の路面も合うと思うのだが、斤量差もあって意外と楽な戦いではないのかもしれない。

 ラブイズブーシェは相手なりに走るタイプで、GIでも掲示板レベルの好走が可能。切れるタイプではないので中山も良い。ただ、最近は位置取りが後ろ寄りになっており、斤量を背負う形でどこまで差してこられるかが問題だと思う。

 対照的なタイプがマイネルミラノ。前受けできる上がり馬でコース実績もある。ただ、重賞どころかオープン初挑戦で上位人気というのは配当的につまらないようにも思える。先の2頭ともども個人的にはヒモ候補だ。

 狙ってみたいのは、前走より斤量が増えてそれが人気の低下に繋がっている馬。07年以降毎年このタイプが馬券に絡んでおり、昨年は唯一の該当馬だったオーシャンブルーが優勝した。

 ロゴタイプもこれに該当するのだが、今年は他にも該当馬がいる。まずはデウスウルト。前走で重賞レベルにメドをつけて今回は1キロ増。ユールシンギングは前走金鯱賞から1キロ増。ラブリーデイも同様だ。

 この中ではラブリーデイに魅力を感じる。中山は3回走って着外ばかりだがいずれもGI。上がりの速さに依存しないタイプなので中山自体は悪くないはずだ。このところ馬券に絡んではいないもののGIIレベルでも好走しているし、他馬の出方次第でどんな位置取りも可能な自在性も心強い。

 他にチャンスがありそうなのはメイショウナルト。GIIIではここ4戦で3回馬券に絡んでいるわけだから無視はできない。ただ、斤量据え置き組は目先が変わらないせいかグループとしての成績は悪い。もうひとつ今回はマイネルミラノがどう絡んでくるかが鍵になってくるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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