G1馬が快勝したこともあれば大敗したこともあり、それが取捨を迷う理由
今年のAJC杯は、なんといってもゴールドシップの参戦が話題である。今後のローテーションから逆算した出走のようだが、このクラスの馬が1月のレースに出るというのはそう多いことではない。AJC杯では過去にG1勝ち馬が出走して快勝したこともあれば人気で大敗したこともあり、それもまた取捨を迷う理由である。
過去の同種事例をどう定義するかが難しいところだが、単なるG1ホースということでは格の面で不足と思われるので、平成以降の「牡馬クラシック・春秋天皇賞・宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念」の勝ち馬を対象とし、それらのレースを勝った馬がその後に出走したレースを集計してみる(カク外は除く)。
まず、クラス別成績はこちら。
平成以降の「牡馬クラシック・春秋天皇賞・宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念」の勝ち馬を対象とし、それらのレースを勝った馬がその後に出走したレースのクラス別成績
不振の末にオープン特別に出るようになると厳しいが、重賞ではG1〜G3とも回収率が80%を超えており、標準的な値より高い。ただ、G2での単勝回収率は低い。
続いてG2のみの月別成績がこちら。
G2のみの月別成績
勝率・複勝率で見ると成績が良いのは春秋G1に向けたプレップレースが行われる時期。反対に、秋のG1シーズンなのにG2に出ているケースや、夏はあまり良くない。旧鳴尾記念・旧高松宮記念(高松宮杯)・札幌記念が該当する6〜8月で合算すると勝率14.3%、複勝率47.6%で回収率は単28%・複70%だ。
そして、主に京都記念が該当する2月はそう悪くない(ただ勝ちきれていない面はある)のだが、AJC杯と日経新春杯が該当する1月は悪い。全11頭のうち5頭が1番人気、他5頭が2〜4番人気なのにこの成績は物足りない。
もちろん、1月に限らずこの集計では「G1を勝った後がぱっとしない馬」が成績を押し下げている面があり、ゴールドシップがそれに該当しないのは明らかだ。ただ、まだ勢いがあるからこそ大いに人気になることも事実。ゴールドシップ自身が馬券上の「おいしい選択肢」になることはありえないので、最低でも何か妙味のある穴馬と組み合わせる工夫は必要だろう。