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突っ込んで来るはずの馬を相手本線に/AJCC

  • 2015年01月24日(土) 18時00分


ゴールドシップは確勝パターンに期待

 アメリカJCCに、有馬記念の勝ち馬が出走してくるのは、遠く30年以上も前の1981年の有馬記念馬アンバーシャダイ(父ノーザンテースト)が、1982年と、1983年のアメリカJCCを連覇して以来のことになる(1982年の有馬記念は2着)。およそ30年が、こと競馬の世界ではどのくらいの時間か。

 ゴールドシップは、母方の4代前にノーザンテーストの名前が登場する。およそ30年前は、テスコボーイ(父プリンスリーギフト)系種牡馬の全盛時でもあったが、ゴールドシップには、[5×5]の形でプリンスリーギフトの血が流れていたりもする。

 先週も書いた気がするが、現代のゴールドシップが、有馬記念でも高い支持を受けたのは(ファン投票でも第1位)、現代の若いファンにも、少し前のステイゴールドのファンにも、その前の芦毛のメジロマックイーン党にも、プリンスリーギフト時代のファンにとってさえ、なんとなく馴染みやすい血統背景や、一筋縄ではいかない性格を秘めるからかもしれない。

 そのゴールドシップは、昨年の後半、凱旋門賞も、有馬記念も能力を出し切り、力尽きて負けたわけではない。ゴールドシップ自身が物足りないから、いま、絶好に近い状態になったのであり、少しも余計なレースに出走してきたわけではない。

 年末の有馬記念では、4コーナーでジェンティルドンナの横まで進出したが、そこで1番人気馬らしく大事に、少し待った気がする。

 岩田騎手が「有馬記念は悔いが残る」と振り返ったのは、おそらくそのことに違いない。ゴールドシップは何度も負けているが、勝負どころからひとたび先頭に立って負けたことはない。

 直線で先頭に立ってしまえば、とたんに気分爽快、フットワークが軽くなり、まだまだ伸びそうになるのがゴールドシップである。

 今回は、まくって先頭に立ってしまいそうに思える。人気にこたえて確勝パターンに入ることを期待する。そうなると、おそらく接戦のゴール前ではないことも想像したい。先行型の残りより、突っ込んで来るはずの馬を本線に考えたい。

 ゴールドシップが4走前の宝塚記念で圧勝したときのコンビだった横山典弘騎手の乗るフラガラッハが相手の一番手。フラガラッハはマイルが中心で、2200mは【0-0-0-2】だが、昨年のこのアメリカJCCは直線外から猛然と伸び、5着ではあったが、差は0秒1。3着フェイムゲームと同タイムだった。

 2200mでは、昨秋のオールカマーも4着止まりだが、やっぱり差は0秒1だけ。このときも今回対戦するフェイムゲームと好勝負。6着の同馬に0秒1先着している。

 今回は休み明けとあって人気薄だが、2ヶ月半以上の休み明けは、新馬を含めて【3-1-0-3】。思われているよりポン駆けは利く。13年の中京記念も2ヶ月半ぶりで勝っている。

 少し時計を要する芝こそベスト。輸送前の金曜日にも上がりだけ時計を出し、気合を入れている。横山典弘騎手はテン乗りだが、このアメリカJCCは計6勝もしている最多勝騎手である。

 次いで、デキの良さが光るエアソミュール。ゴールドシップからだから、2着候補をこの2頭に絞って、3着候補をみつくろって3連単にしたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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