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初ダートと距離短縮

  • 2015年01月27日(火) 12時00分


今回のロゴタイプについて乗り越えなくてはならない2つの壁

 ロゴタイプの参戦が話題の根岸S。果たしてある程度人気になるのかどうかさえ分からないが、過去の事例で言うと「重賞レベルまで来てからの初ダート」はかなり厳しい。

 クロフネやメイショウボーラーのように後のGI奪取にまで繋がったケースもあるにはあるが、平成以降の中央重賞で初ダートを経験した馬の成績はトータルで[6-4-4-119]で回収率は単37%・複34%。芝で手詰まりになり力そのものが落ちていたケースが多いのは事実だが、単勝10倍未満の馬に限っても[3-2-2-20]、回収率は単36%・複57%だ。

 今回のロゴタイプについては、芝2000mから3ハロンの距離短縮というのも乗り越えなくてはならない壁である。東京競馬場が改装された2003年以降、東京ダート1400mのオープン特別・重賞に出走した馬の前走距離別成績(芝ダートはごっちゃにし、該当数の少ない距離は省略)は以下のようになっている。

前走距離    着度数    勝率  複勝率 単回収率 複回収率
1200m 11- 10- 9-157 5.9% 16.0% 52 77
1400m 17- 21- 19-201 6.6% 22.1% 108 125
1600m 10- 5- 9- 81 9.5% 22.9% 110 67
1700m 3- 3- 0- 22 10.7% 21.4% 102 82
1800m 2- 2- 4- 45 3.8% 15.1% 65 131
2000m 0- 1- 2- 17 0.0% 15.0% 0 51
2100m 1- 2- 1- 19 4.3% 17.4% 10 87

 2000m以上から来た馬はすべて前走ダート(前走芝2000mという馬はいない)なのだが、かつてのJCダート組が含まれるわりには成績が奮っていない。

 ちなみに、全クラスを対象とした「今回東京ダート1400m・前走芝ダート2000m以上・クラス変動なし」という条件だと[9-7-11-183]で単72%・複57%。複勝回収率の低さが目立つ。今回のロゴタイプに限らず、このレベルの距離短縮はイメージ以上に厳しい、ということを覚えておきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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