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ワイドバッハ、エイシンブルズアイ、ベルカントなど根岸S、シルクロードS分析

  • 2015年01月28日(水) 18時00分


的中率を高めるためにいろんな武器を多用することは大切だと思います

 年をまたいだ中山競馬場の連続開催が終了し、今週から東京競馬場での開催。直線の長さが変わること、加えて、馬場状態が良好ということで、開幕週は逃げ先行が圧倒的有利にレースを進めることになるというのが、現時点での私の展開予想。そう、展開予想って本当に重要だと思います。その基本的な内容が「井内利彰のケイバ白熱教室」の第6回でお話ししているようなことだと思います。

 逃げ馬はどのくらいいるのか、近5走以内にメンバー上がり最速をマークした馬は何頭いるのか。これに枠順などを加味して、展開を予想すると、自然とレースの流れが見えてきます(というか、見えているつもり)。その中で、調教予想から最適な馬を探して◎を打つことができれば、そんなに的外れな予想になっていないと思います。

 ただ、AJCCのように、2番手、3番手でレースができると予想して、スタートもスムーズだったにも関わらず、中団から競馬をされては、どうにも話にならないこともありますが…。まあ、ぜんぶが全部、うまくいくわけはないので、できるかぎり的中率を高めるためにいろんな武器を多用することは大切だと思います。あらためて、競馬を見つめ直したいという方には、ぜひ白熱教室をおすすめします。

【根岸S/ワイドバッハ】

 チャンピオンズC後は放牧に出て、栗東へ帰厩したのは、1月4日。日程的に余裕があり、追い切り内容は攻めすぎず緩すぎずといった感じ。それだけに馬体には張りがあって、画像を撮影した27日の坂路でのキャンターも目立っていました。

 28日の追い切りは単走でしたが、ハロー明けということもあり、周囲に馬が多く、やや走りにくい状況。それでもフットワークの大きさは目立っており、動きは良く見えましたが、ラスト1F標識を過ぎたあたりで脚色が鈍ります。ラスト1F13.5秒は3F目から0.8秒の減速。近走でレース間隔のあいた、欅SやエニフSでもここまで減速することがなかっただけに、その点が不安材料でしょうか。

ワイドバッハ(1月27日撮影)

ワイドバッハ(1月27日撮影)



【根岸S/エアハリファ】

 今回は中10週のレース。冬場だけに調整が難しいイメージもありますが、この馬自身は3走前の中1週で崩れて、それ以外のレース間隔をあけた時はきっちり結果を出すタイプ。気持ちの乗りやすい馬だけに、間隔は詰めるよりもあけた方が良績を残せるのでしょう。

 今回も調教量はまずまず。そして、最終追い切りは坂路でラスト1Fが12.1秒の最速ラップ。1Fごとに1秒ずつ加速しているあたり、好調を感じさせます。本数、質ともに不安を感じさせる点はありませんが、あえて気になるところを指摘するとすれば、武蔵野S後にチャンピオンズCを目指して、調教を重ねていた点。ここでレースをできなかったフラストレーションがたまっていなければ、といったところでしょう。

エアハリファ(1月27日撮影)

エアハリファ(1月27日撮影)



【シルクロードS/エイシンブルズアイ】

 1200mを使い始めて5戦目になりますが、今回が最もレース間隔の詰まった中2週。それでも緩めることはなく、1週前追い切りを消化して、最終追い切りを含めた本数は3本。馬体の大きな馬ではありませんが、このあたりは順調の証だと思います。

 最終追い切りは秋山真一郎騎手が跨っての内容。ラスト1Fが最速ラップというわけにはいきませんでしたが、2F24.4秒は非常に優秀な数字。全体時計が前走時よりも遅くなっていることが少々気になる点ではありますが、前走時と同じような状態で出走することができそうです。

エイシンブルズアイ(1月28日撮影)

エイシンブルズアイ(1月28日撮影)



【シルクロードS/ベルカント】

 この馬を見極める際には、1週前追い切りと最終追い切りの4F時計ならびにラップの踏み方を注意します。今回は休み明けになるので、好走時がフィリーズレビュー、凡走時がCBC賞という題材になるでしょう。

 CBC賞は2週連続して、速い4F時計をマーク。レースでは最後まで踏ん張りが利かない内容でした。対して、フィリーズRは2週連続して、ラスト1Fが最速になるラップの踏み方。秀逸なレース内容で重賞2勝目を挙げています。つまり、ラスト1F最速ラップを踏むかどうか。今回は1週前が速い4F時計、最終追い切りがラスト1F最速ラップ。これは非常にいい形だと思うので、今回は評価すべき仕上がりでしょう。

ベルカント(1月27日撮影)

ベルカント(1月27日撮影)



【シルクロードS/ローブティサージュ】

 今回の調教欄を見て驚かれる方も少なくないはず。なぜなら、中8週というレース間隔にも関わらず、坂路4F60秒を切る追い切り時計が1本もないから。いわゆる、15-15こそやっていますが、追い切りらしい追い切りがないというのがこの中間。

 毎日のようにゲート練習をしているため、この調整がこの馬にとって最適なのかも知れませんが、この追い切りではさすがに推すことができません。ちなみに、キーンランドC時は追い切り1本での出走での1着でしたが、当時は夏場でもあり、現地競馬という点が今回とは全く違います。

ローブティサージュ(1月27日撮影)

ローブティサージュ(1月27日撮影)



◆次走要注意

・1/25 京都 3歳500万下【タキオンレディー】(6人/3着)

 未勝利1着の最終追い切りは坂路で4Fの自己ベストを更新しつつ、ラスト1Fが最速ラップ。そのレース内容からも上昇度は確実でした。
 ただ、今回は追い切り内容をセーブ。-6キロの馬体重が関係していたと思いますが、それでも3着。万全ならオープンでも通用するはずです。

[メモ登録用コメント] [ダート1200m]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら馬券圏内

・1/26 京都 五条坂特別【サンライズホーム】(9人/2着)

 馬券総合倶楽部で◎を打った馬。理由として、休み明け2走目で追い切り本数強化。そして、ラスト1F最速ラップを踏めている点を挙げましたが、それが2走前1着時よりも速い4F時計をマークしてのものだっただけに成長を感じていました。
 レース内容を見ても、その通りの結果。自分のペースで運べたことも大きかったと思いますが、こういったレースができると大崩れなく、クラスを上がっていくことができるはず。

[メモ登録用コメント] [京都ダート1800m]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら馬券圏内

◆今週の追い切り特報

・4歳上500万下【スズカシャーマン
 前走時の最終追い切りも動きが目立っていましたが、今朝28日はそれを上回る印象を受ける動き。前にいた別の併せ馬を楽に外から交わしていく走りは秀逸。時計的にも評価できます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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