サドンストーム西浦師が“一発予告”/トレセン発秘話
◆短距離戦のペースについて
「クラスが上がって流れが速くなった方が競馬はしやすい」
下級条件ではスピードが勝り過ぎて、折り合いを欠くような馬を取材している時に、よく耳にする言葉だ。普通なら未勝利より500万下、500万下より1000万下、1000万下より準オープン…とレベルが上がるにつれて道中のペースは速くなる。だが、ここ最近の芝短距離オープンについていえば、その当たり前の法則が当てはまらないことが多い。
昨秋からの一連のレースでは前半3ハロンより後半のそれの方がラップが速くなるケースが続出。「電撃のスプリント戦」というように、1200メートル戦は通常、前半より後半3ハロンの方が時計がかかって当たり前なのだが、淀短距離Sなどは前半が34秒9で、後半が33秒6と実に前後半差1秒3もの遅いペースで流れているのだから、超スローといってもいいぐらいだ。なぜ、こんな事態が起こるのか?
「メンバー、競馬場によって流れが変わってくる。京都なんかは意外に流れが落ち着きやすい」と語る調教師もいるが…。
いずれにしても、遅いペースで前に行って残ってきた馬は、実力以上の恩恵を受けてきたことになるし、逆にいえば、これらのレースで後ろから差して負けてきた馬には展開次第で浮上するチャンスがいくらでもあるということだ。
「ここ何走かは短距離戦にしては超スローで展開が向かなかった。上がり33秒台の脚をコンスタントに使っているし、流れひとつでチャンスがあっていい」と話すのはシルクロードSに出走するサドンストームを管理する西浦調教師。
この馬の近3走はいずれも短距離のスロー。差し一手の競馬で、展開不向きながら毎回掲示板に載っているのだから力は明らか。スプリント戦にふさわしい激流になれば一発がある。
(栗東の坂路野郎・高岡功)