●アルフヘイム(牝 栗東・笹田和秀 父ハービンジャー、母ラフェクレール)
　母ラフェクレールは現役時代未勝利に終わったが、アドマイヤコジーン(98年朝日杯3歳S-GI、02年安田記念-GI)の半妹にあたる良血。ハービンジャーは現3歳世代が初年度産駒で、京成杯(GIII)を勝ったベルーフを筆頭に現時点で24頭の勝ち馬を送り出している。母方にサンデーサイレンスとノーザンテーストを併せ持つパターンと、サンデーとPrincely Giftを併せ持つパターンが成功している。本馬は母の父がサンデー産駒のスペシャルウィークで、2代母の父がノーザンテースト、3代母の父がPrincely Gift産駒のトライバルチーフなので、これらをすべて持っており注目してみたい。芝向きの中距離タイプだろう。

●エイシンマカロン(牝 栗東・坂口正則 父エンパイアメーカー、母サンデーブレーヴ)
　半兄トーセンクラウン(父オペラハウス)は中山記念(GII)の勝ち馬。その後デビューした5頭はこれといった成績は残していないが、2代母ペニーアップは大種牡馬サンデーサイレンスの全妹にあたる良血で、3頭いるサンデーの全妹から重賞勝ち馬を出したのはペニーアップのラインだけなので期待したい。本馬の父はエンパイアメーカー。これまでの兄弟とは少々毛色が異なる。エンパイアメーカーはアメリカのバリバリのダート血統で、Mr.Prospector、Dr.Fager、In Reality、La Troienneなど、母にはない新たな活力源を抱えている。これらが起爆剤となればおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●オーサムレジェンド(牡 栗東・藤原英昭 父ゼンノロブロイ、母パーソナルレジェンド)
　母パーソナルレジェンドはターンバックジアラームH(米G3・ダ9f)、ステージドアベティH(米・ダ8.5f)の勝ち馬。繁殖牝馬としても成功し、初子のミラクルレジェンド(父フジキセキ)はエンプレス杯(JpnII)をはじめ多くの重賞を勝って牝馬ダート路線の女王として君臨した。2番子のローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)は東京大賞典(GI)など4つの重賞を制している。ディープインパクトを掛けてもダート馬を出すほどの高い砂適性を誇り、本馬の父はナムラビクター、ハートビートソング、マカニビスティーなどダートの強豪を送り出しているゼンノロブロイなので、誰もが予想するとおりにダート路線で活躍するだろう。大物感が漂う。

●コスモエルタニン(牡 美浦・国枝栄 父クロフネ、母フサイチエアデール)
　フサイチリシャール(JRA賞最優秀2歳牡馬）、サイオン(14年川崎記念-JpnI・5着)の全弟、ライラプス(05年クイーンC-GIII)の4分の3弟。母フサイチエアデールは重賞を4勝した名牝で、4歳夏のマーメイドS(GIII)では58kgを背負って55kgのトゥザヴィクトリーに完勝するという破格のパフォーマンスを見せた。桜花賞、二度のエリザベス女王杯と、GIでは2着を重ねたが、能力は並のGI牝馬を上回るものがあった。母方にサンデーサイレンスとMr.Prospector、それにLa Troienne牝系の血が入るのは父クロフネの手堅い成功パターン。兄同様の活躍を期待したい。

●ベイビータピット(牡 美浦・斎藤誠 父Tapit、母More Than Pretty)
　父Tapitはいまアメリカで最も勢いのあるA.P.Indy系のトップサイアー。14年は北米拠点の種牡馬による年間収得賞金のレコードを更新。ぶっちぎりで北米リーディングサイアーの座についた。この活躍を受け、14年に15万ドルだった種付料は今年なんと倍増の30万ドルに。こちらの面でも他の追随を許さず、名実ともにアメリカを代表する種牡馬となっている。日本でもフェブラリーS(GI)を勝ったテスタマッタが出現したほか、現3歳世代には全日本2歳優駿(JpnI)2着のタップザット、それと同等の資質を持つと思われるゴールデンバローズ(現3戦2勝)などがいる。母More Than Prettyは芝5ハロンのステークスを勝っている。5代以内にMr.Prosepctorを4本抱えるスピード配合で、基本的にはダートのマイラーだと思われるが、素軽ささえあれば芝でも走れそうな雰囲気を感じる。