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波乱傾向が強い東京新聞杯をどう攻略する?

  • 2015年02月06日(金) 18時00分


◆京都金杯と着順の相関性が意外と高くない

 東京新聞杯は過去10年で7番人気以下馬が10頭馬券に絡んでいて、それなりに波乱傾向が強いレース。一方で1番人気が[2-1-1-6]と奮わない。

 昨年は前走GI組のホエールキャプチャが勝ったが、基本的にこのレースでは前走重賞組が格の通り強いとは言えず、勝率や複勝率で見てもオープン特別組や準オープン組がほぼ互角に戦っている。また、京都金杯と東京新聞杯は着順の相関性が意外と高くないので、そこにも注意して予想する必要がある。

 その京都金杯からは5頭が出走する。2,3,4着馬がいるのでどうしてもその通り買いたくなってしまうが、そもそも競馬はやるたび着順が変わりうるもの。人気が前走着順に反応しているのなら、それに逆らう価値はある。我々のように予想根拠を公にする必要があるならともかく、ファンの皆さんご自信の馬券なら「理由無く順番を入れ替える」でもいいのだ。

 エキストラエンドは昨年の実績もあるのでもちろん好走の可能性はあるが、この馬が気持ちよく差してくる展開だと速い上がりの競馬になっているのでサトノギャラントフルーキーあたりを連れてきている可能性が高く、全体が堅い馬券になる。そのシナリオを受け容れられるかどうかが、ファン個人個人のこの馬の取捨に関わってくるだろう。

 個人的にはマイネルメリエンダに馬券的な妙味を感じる。トータルの時計が速かったり上がり勝負になると難しいが、日曜は雨50%の予報も出ているし、多少湿ると血統からもさらに出番となる。今回差し・追い込みタイプの有力馬が多いので、脚質的に逆の属性というのも良い。

 前走から斤量増という点を不安視する方もいるだろうが、火曜のコラムで触れたように、なぜか斤量増馬が穴になるケースは少なからずある。そもそも斤量の影響力がファンの認識ほど大きくないのだと個人的には推測している。人気が落ちるならその分はプラスで、さすがにダノンヨーヨーとまではいわないものの、メイショウヤタロウを3着前提の複穴に考えるくらいはしてもよいと思う。

 オープン特別ではニューイヤーS組から4頭が出走。サトノギャラントは中山→東京のコース替わりはプラスだろうが、そもそも今回も人気だろうし、「自分で競馬を作れないうえに人気体質」という厄介な存在でもある。来ないとは言えない馬でもあるので、△で対応したいと考える。

 オープン特別組は前走が3着以内だとぐっと期待が高まるのだが、今回はニューイヤーSからもキャピタルSからも前走4着馬が最高なので微妙なところ。馬券的には後者から来るシャイニープリンスを重視したい。富士S2着馬でもあるし、展開への対応力があるというか、引き出しの多い馬でもある。この馬も少し雨が降るとベターだと考える。

 最後にヴァンセンヌ。前々走は折り合いに苦心しながらもうまく壁ができ、差し競馬で1着。前走は持っていかれぎみの捲りが結果的に正解での1着。競馬としての見た目は前々走のほうが良いのだが、この馬はディープインパクト産駒にしては上がりの速さに依存しないタイプ。よーいどんの形だと不利なので、長く脚を使う形になったほうが有利だと考える。血統的背景もある馬だし、準オープンからいきなり東京新聞杯で通用したというケースは過去にもあるので、馬券的には面白い馬だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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