良血馬揃うも「量」がたらないきさらぎ賞/トレセン発秘話
◆今年はクラシックのボーダーが確実に上がる
「今は3歳芝のオープンが多過ぎるような気がしますね」と問題提起するのは沖調教師。
「これが今のJRAの方針なんだろうけど、先日の若駒Sなんてオープンとはいっても出走馬全てが500万条件の馬。果たしてそれが本当にオープンのレースと言えるのかどうか」
クラシックへのルート拡充を狙い、整備を進めるJRA。多様なレース選択が可能になった半面、各レースの出走馬の頭数が減って、前述の若駒Sのようにオープンといいながらも実質500万下になってしまうレースも少なくない。
「今年はクラシックのボーダーが例年よりも確実に上がるでしょう。それをクリアするためには、しっかり賞金を加算しておく必要があります」
萩S勝ち馬で、皐月賞トライアルのいずれかに出走予定のエイシンライダーも、今のままの収得賞金(1200万円)ではクラシック出走が微妙な状況だ。
一方、同じ沖キュウ舎のウィッシュハピネスといった3歳ダート戦線のオープン馬には満足な選択肢がないといってよく、JRAオープンといえば次開催を含めても22日のヒヤシンスS(東京1600メートル)だけ。芝との極端過ぎる落差を見るにつけ、「もう少しダートの番組を増やしてもいいのでは」という現場サイドの意見に同調せざるを得ない。
で、今週のきさらぎ賞も8頭の少頭数に収まりそうな気配。「量」の面では相変わらず物足りないが…。「質」の面でいえば、ルージュバック、レガッタ、ポルトドートウィユと、なかなかの好メンバー。重賞の名にふさわしいレベルに達しているのが救いだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)