スマートフォン版へ

ディープインパクト産駒の扱い

  • 2015年02月10日(火) 12時00分


ディープインパクト産駒にとって厄介な結果になっている共同通信杯

 今週は共同通信杯。いよいよクラシックの足音がかすかに聞こえてきたという時期だ。

 今年の共同通信杯には、ディープインパクト産駒が5頭登録してきている。新馬を勝ちたての馬や連勝馬、重賞実績のある馬といった顔ぶれで、そのいずれかを本命にする予定のファンも多いことだろう。

 ところが共同通信杯におけるディープインパクト産駒は、これまでのところなかなか厄介な結果になっている。

 馬券に絡まないというわけではない。これまでの着度数は[0-2-4-8]。勝ってはいないが複勝率は42.9%あり、複勝回収率も117%だ。1着が取れていないのは、このくらいの試行頭数なら「たまたま」で片付けることもできるだろう。

 ただ、このレースで1番人気になった3頭のうち、馬券に絡んだのはディープブリランテだけで、ダノンバラードとラウンドワールドは着外に飛んでいる。一方で一昨年のマイネルストラーノが9番人気で3着しており(複勝配当750円)、これが複勝回収率を整えている。

 もうひとつ不思議なのは、関東馬と関西馬のバランスだ。関東馬が[0-1-3-3]で関西馬が[0-1-1-5]。いまの時代、良質のディープインパクト産駒は関西により多く入っているはずで、そのわりにこのバランスというのは自然ではない。

 これが本当に関係あるかは分からないが、ひとつだけヒントを思い当たるとしたら「初東上」だ。馬券に絡んだ2頭の関西馬、ディープブリランテとサトノアラジンは東スポ杯で東上を経験していた。残り5頭は「輸送して東京・中山」というのは始めての形であった。

 ディープブリランテは初東上の東スポ杯を勝っているわけだし、これが決定的な理由とは言えないだろう。ただ、無理にでも根拠を見出そうとしたら、思いつくのはこのくらいである。ちなみに今年は関西のディープ3頭のうち、東上経験を持つのはティルナノーグだけ。大敗が2度続いたが、今回は経験を生かせるだろうか。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング