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時折意外な複穴が混じる弥生賞

  • 2015年03月06日(金) 18時00分


◆シャイニングレイの前走はやはり価値がある

 弥生賞は基本的に堅いレースだが、最近は時折意外な複穴が混じってくることもある。

 2歳重賞のデザインが大きく変わったので以前のデータをそのまま適用することはできないが、基本的にアタマ候補は堅く考え、3連単の3着でもいい複穴を考えていくようなやり方が有効だ。

 1番人気はシャイニングレイだろう。今回前走オープン勝ち馬が4頭いるが、他の3頭はタイム差なしの勝利。それよりはこの馬の0.2秒差のほうが評価できる。ホープフルS組が今後どのような成績をあげていくかは分からないが、GII格付けで頭数もメンバーも揃ったところを押し切ってきたことはやはり価値がある。先行タイプなのも弥生賞で1着を取るうえでは有利。なにかリスクがあるとしたら前傾ラップになって上がりがかかった場合だが、今回のメンバーだとあまり前半は速くならないだろう。

 前走2着のコメートも侮れない存在だ。ものすごく奥があるというタイプではないだろうが、ステップレースの段階では十分に馬券絡みも期待できる。前走ほぼ同じ位置取りだったことを考えるとシャイニングレイを負かすことは容易ではないが、2,3着は十分にありうる。

 朝日杯組は3頭が出走し、3頭とも前走は中団以降の位置取り。距離短縮から距離延長になるブライトエンブレムは、ネオユニヴァース産駒のこのレースとの相性の良さもあり、魅力的には見える。一方で、前走におけるクラリティスカイとの着差ははっきりしている。前走のアトサキを重視してクラリティスカイの距離延長を受け容れるか、2000mという点を意識してブライトエンブレムを取るか、その辺りは個人の好み次第だ。タガノエスプレッソは両馬のマイナス面を併せ持ってしまっている形なので、この中では3番目の選択肢となる。

 ベルラップは同距離の重賞勝ち+成長力のあるハーツクライ産駒。ただ、レース間隔が開く形での弥生賞参戦は、サンプルが少ないとはいえ好走例に乏しい。前走・前々走の相手関係がやや楽だった感もあり、個人的には△くらいの評価でいきたい。

 グァンチャーレは前走の展開がハマった感もあり、脚質的にも展開待ちのキャラクター。前崩れのとき浮上すると考えれば、シャイニングレイが崩れて大穴になるときに入れ替わってくるイメージ。そのシナリオを望むファンにおすすめだ。

 サトノクラウンは2戦2勝で底を見せていないことが魅力。2走はともに33秒台の上がりを使って優勝。序盤か中盤が緩んでくれると競馬がしやすいが、消耗戦の中で馬群を捌くような形になると手こずるかもしれない。

 トーセンバジルは今回ある程度人気になりそうだが、500万条件勝ちからの弥生賞は、イメージ以上に厳しい面がある。展開への対応力があるのと安定味が魅力だが、オッズと相談しながら2,3着に付けるか付けないか判断していきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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