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アサバスカ(牝 栗東・池添兼雄 父コマンズ、母ハンドオブフェイト)
半兄キズマ(父Discreet Cat)はダート短距離路線でOPクラスまで出世している。母ハンドオブフェイトはNijinsky 3×2、Raise a Native 3×4という父母相似配合なので、自身の特長を比較的安定して伝えるタイプではないかと思われる。したがって、兄が走っているので妹も期待できる。父コマンズはDanewin(現役時代に豪G1を5勝し種牡馬としても成功)の全弟で、オーストラリアの歴史的名馬Octagonalの甥でもある良血。豪種牡馬ランキングではコンスタントにベスト5以内に入り、12-13年は3位だった。短距離型だけに1200mの成績が優れている。日本向きの軽さに若干欠けるため、勝利数、連対率ともに芝よりもダートが上回っている。芝・ダート兼用のスプリンターだろう。
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ヴァシリーサ(牝 美浦・古賀慎明 父ハーツクライ、母ペンカナプリンセス)
母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3・芝7f)を勝ったほか、愛1000ギニー(G1)で2着となる活躍をみせた。産駒成績は優秀で、ダノンジェラート(父ディープインパクト/12年セントライト記念-GII・3着)、ワールドインパクト(父ディープインパクト/14年青葉賞-GII・2着)を産んでいる。本馬の父ハーツクライは、母にNorthern Dancerの強いクロスを持つ配合が成功しているので、Northern Dancer 4×4のペンカナプリンセスは合うはず。ただ、Mr.ProspectorやDanzigといった早熟性に富んだ血は入っていないので、開花はやや遅めかもしれない。必ずしもPOG向きとはいえないが、素質は高いと思われるので将来的に楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。
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カフジイーグル(牡 栗東・矢作芳人 父クロフネ、母ウツセミ)
母ウツセミは現役時代7戦未勝利。ただ、「Machiavellian×Nureyev」の組み合わせは、ソニンク(ノーザンリバー、ランフォルセ、ノットアローン、モンローブロンドの母)、ハルーワスウィート(ヴィルシーナの母)など繁殖牝馬として成功した馬が目に付くので侮れない。「クロフネ×Machiavellian」の組み合わせは少ないサンプルからティアップゴールド(09年ニュージーランドT-GII・2着)が出ている。母はMr.Prospector 2×4で、Seattle Slewが入る。競走意欲旺盛な先行タイプとなるだろう。芝・ダート兼用のマイラー。
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ティッカーコード(牝 栗東・藤原英昭 父Giant's Causeway、母ティッカーテープ)
母ティッカーテープはダンスインザムードが2着に敗れたアメリカンオークス(米G1・芝10f)、クイーンエリザベス二世チャレンジカップS(米G1・芝9f)、パッカーアップS(米G3・芝9f)の勝ち馬。アメリカに残してきた産駒3頭にこれといった活躍馬はいない。本馬は、母がGiant's Causewayを受胎した状態で日本に輸入され、出産した持込馬。Giant's Causewayは現役時代、わずか2ヵ月半の間にG1を5連勝して「鉄の馬」の異名を取った。Storm Catの代表的な後継種牡馬で、09、10、12年と米リーディングサイアーに輝いている。ダートだけでなく芝に対応する能力もあり、日本ではエイシンアポロン(11年マイルCS-GI)、スズカコーズウェイ(09年京王杯SC-GII)、エーシンジーライン(12年小倉大賞典-GIII)が重賞を制している。本馬はStorm Cat≒Chapel of Dreams 2×4という4分の3同血クロスとRoberto 4×4を持ち、母の父がスピードタイプのRoyal Applauseなので、持続力を武器とする芝向きのマイラーだろう。
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トウカイミラージュ(牡 美浦・高柳瑞樹 父ヨハネスブルグ、母トウカイポプリ)
「ヨハネスブルグ×タイキシャトル」はデビューした3頭中2頭が勝ち上がり、そのうちの1頭は小倉2歳S(GIII)5着のリッパーザウィン。母トウカイポプリはHalo 3×3といかにも素軽いタイプで、現役時代にダート短距離で2勝を挙げた。大レース向きの大物感はないものの、確実に走ってくると思わせる堅実性とスピードを感じるので、デビューすれば早い段階で勝ち上がれるだろう。芝向きのスプリンター。