▲皐月賞、ダービーへ向けて、クラシックへの手応えを語る
GIに向かっていくには今のままではダメ
サトノクラウン、レガッタ、そしてリアルスティール。自分が乗った今年の3歳馬のなかで、GI級のポテンシャルを感じた3頭だ。そのなかの1頭、リアルスティールが、2戦目にして順調に共同通信杯を勝ち上がった。そして今週、初めての中山、スプリングSに挑む。
共同通信杯には、圧倒的1番人気に支持されたドゥラメンテを筆頭に、なかなかの好メンバーが揃っていた。そんななか、どんなに能力があるといっても、なにしろ一戦一勝馬。“この馬たちを相手に、どれだけやれるのだろう”というのが、レース前の素直な気持ちだったが、初戦同様、天性のレースセンスで、相手強化も難なくクリアしてくれた。
レースのあとで知ったのだが、共同通信杯を一戦一勝馬が勝ったのは初めてだったとか。過去10年で2番目という勝ちタイム、さらに相手関係や内容を考えても決してフロックではなく、高い能力の持ち主であることを再確認できた一戦だった。ほかにも、3戦無敗のサトノクラウンをはじめ、たくさんいい馬に乗せてもらってきたが、この春はリアルスティールと一緒に歩もうと思う。
サトノクラウンはご存じの通り、弥生賞を完勝。スタートだけが気掛かりだったが、それもうまくいったし、思った通りの競馬で思った通りの勝ち方ができた。デビュー戦で感じていた通り、完成度の高さは一級品。現時点では何も言うことはない馬だ。
▲共同通信杯を勝ったリアルスティール、春はこの馬と歩むと決意
▲一方、弥生賞を完勝したサトノクラウン、「完成度の高さは一級品」と高評価
リアルスティールの共同通信杯は、運もあったと思っている。今回でいう運とは枠順で、1枠が当たった時点で、「これはある程度やれるんじゃないか」と思った。たとえば、きさらぎ賞のレガッタ(6枠・7着)も、内枠だったらまた違った結果になっていた可能性もあるし、ドゥラメンテにしてもそう。リアルスティールと枠順が逆だったら、自分がいた位置でスッと折り合いがついていたのではないかと思う。レースには往々にして、そういった運も大事だったりする。
実際、リアルスティールは、まだまだ良くなる余地を残した馬。GIに向かっていくには、もっともっと良くなってほしいという気持ちが強い。言い換えれば、これからさらに相手が強くなっていくなかで、今のままではダメだと自分は思っている。