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阪神大賞典、各馬の強みと弱みを分析!

  • 2015年03月20日(金) 18時00分


◆ゴールドシップはオッズと相談して

 トーホウジャッカルの回避は残念だが、ゴールドシップの存在ゆえにやはり注目度は高い阪神大賞典。しかもそのゴールドシップが完全に信用はできない存在という、ある意味面白いが一方でなかなかに悩ましいレースになっている。

 そのゴールドシップだが、自然なローテではないところを使って大敗したAJC杯は結果論的に大失敗。凱旋門賞を含めると3走連続で連対を外したことになるが、これもデビュー以来初となる。

 ただ、取り巻く条件は今回良化しているとも言える。まず今回は頭数が手ごろなので位置が極端に悪くなることはない。また、阪神はこれまでパーフェクト連対で阪神大賞典は連覇中。さらに今回は後述するように先行タイプが充実しており、ある程度引き締まった流れが期待できる。

 逆に言うと、ここで大敗したらいよいよ重症ということになる。履歴が履歴なので絶対的な軸にすることもできないし、かといって外すことも至難。あとはオッズと相談するしかない。

 ラストインパクトは決め手勝負が得意な馬なのかと思いきや、金鯱賞のようなワンペースの競馬にも対応。5歳の充実期でもあり期待が高まる。これまでの結果から前半は溜めていくと思うが、展開次第ではゴールドシップや先行勢に突き放されてそのまま終わる可能性もあり、そこだけがリスクか。

 対照的にラブリーデイは位置が取れるタイプ。今回は3〜4番手か。距離を意識しすぎずにいつもの競馬をしたほうがよいだろう。中山金杯だけだと信用しきれなかったのだが、京都記念も勝った以上格の面で見劣ることはない。

 当時の2着馬スズカデヴィアスが今回の展開を握る。メイショウカドマツを楽に行かせるとスローになるが、この馬がつつけば話は変わってくる。阪神大賞典はどちらかというと丸々のスローにはなりにくいレースなのだが、その傾向通りになるかどうかはこの馬の動向にかかっている。

 カレンミロティックは初手ではラブリーデイと並びかそのひとつ前だろう。乗り出しが遅れたぶん状態は万全とまではいかないようだが、香港ヴァーズでは輸送熱でかなり厳しい状況に追い込まれながらも1週間でしっかり競馬ができた。この距離を使うことに違和感を持つ人もいるだろうが、もともと一昨年の天皇賞春に登録したこともある馬(1頭だけ除外)。以前よりステイヤーとしての資質を期待されており、気性面で成長した今ならば距離はこなせる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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