◆エアロヴェロシティは良馬場が条件 今年の高松宮記念は、まず香港馬に触れておかねばならない。
エアロヴェロシティは昨暮の香港スプリント馬だから、バリバリの一流スプリンター。その前のジョッキークラブスプリント大敗は、二回に渡って内ラチ沿いに挟まれた結果なので気にしなくていい。2013-14シーズンから完全に本格化した手ごたえがある。
問題があるとすれば左回りだろう。香港転入前のニュージーランドで経験があるとはいえ、だいぶ昔の話。以前の小回り中京だと間違いなく黄信号だった。いまの中京だから全否定はできない、というところか。馬場も中京で道悪となるとしんどいはずで、良馬場が好走の条件となる。
日本勢はというと、まず阪急杯組に注目したい。1ハロン短縮で本番に向かう形は中京改修後も機能しているし、コース形態を考えると、今後さらにこの組が強くなる可能性もある。
ただ今年は
ダイワマッジョーレ、
ミッキーアイルとマイル色の強い馬が連対してきたのでそこが考えどころ。この2頭のうち1200mをこなす可能性があるとしたらミッキーアイルのほうか。ただ、逃げ馬だった同馬とて1200mスペシャリストと比べたらだいぶテンのスピードは遅い。「今回も控える競馬で」ということを意識しすぎると、ずるずる位置を悪くする危険もある。
3着以下では
ローブティサージュ、
サドンストームにもチャンスはある。ローブティサージュは前走を見る限りゲートのリスクは解消されたし、サドンストームはシルクロードSでも2着と好走している。勝ち切るイメージはないが、複穴にはなりうる。
そのシルクロードSは
アンバルブライベンが勝ったが、今回は脚質的にバッティングする馬がいるのが難。おそらく徹底先行で行くだろうが、いまの中京だと末がもたないだろう。
オーシャンS組では本来
ハクサンムーンが最有力候補になるはずなのだが、アンバルブライベンとの先行争いが微妙。仮に制したとしても、後ろにいる馬の餌食になりかねない。
勝ってきた
サクラゴスペルは前走が展開に恵まれた感もあるし、全くのニューカマーではないだけに大きな期待をかける気分にはなりにくい。オッズ次第でヒモに一考というところか。
激しくなる先行争いの後ろにいる馬というと昨年の覇者
コパノリチャードが好位にいそうだが、前走の6着が少し負けすぎ。スプリントGIで複数回連対するような馬は、ステップレースで負けてもいいのだが、掲示板くらいはキープするのが通常である。
ならばもっと後ろの馬が届く形を想定して、
ストレイトガールに期待するほうがよいのではと考える。ぶっつけではあるが、条件や環境を選ばない強い牝馬。一緒に香港へ遠征した
リトルゲルダと比べても、一枚上の印象がある。