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高松宮記念、どのステップレース組を重要視する?

  • 2015年03月27日(金) 18時01分


◆エアロヴェロシティは良馬場が条件

 今年の高松宮記念は、まず香港馬に触れておかねばならない。エアロヴェロシティは昨暮の香港スプリント馬だから、バリバリの一流スプリンター。その前のジョッキークラブスプリント大敗は、二回に渡って内ラチ沿いに挟まれた結果なので気にしなくていい。2013-14シーズンから完全に本格化した手ごたえがある。

 問題があるとすれば左回りだろう。香港転入前のニュージーランドで経験があるとはいえ、だいぶ昔の話。以前の小回り中京だと間違いなく黄信号だった。いまの中京だから全否定はできない、というところか。馬場も中京で道悪となるとしんどいはずで、良馬場が好走の条件となる。

 日本勢はというと、まず阪急杯組に注目したい。1ハロン短縮で本番に向かう形は中京改修後も機能しているし、コース形態を考えると、今後さらにこの組が強くなる可能性もある。

 ただ今年はダイワマッジョーレミッキーアイルとマイル色の強い馬が連対してきたのでそこが考えどころ。この2頭のうち1200mをこなす可能性があるとしたらミッキーアイルのほうか。ただ、逃げ馬だった同馬とて1200mスペシャリストと比べたらだいぶテンのスピードは遅い。「今回も控える競馬で」ということを意識しすぎると、ずるずる位置を悪くする危険もある。

 3着以下ではローブティサージュサドンストームにもチャンスはある。ローブティサージュは前走を見る限りゲートのリスクは解消されたし、サドンストームはシルクロードSでも2着と好走している。勝ち切るイメージはないが、複穴にはなりうる。

 そのシルクロードSはアンバルブライベンが勝ったが、今回は脚質的にバッティングする馬がいるのが難。おそらく徹底先行で行くだろうが、いまの中京だと末がもたないだろう。

 オーシャンS組では本来ハクサンムーンが最有力候補になるはずなのだが、アンバルブライベンとの先行争いが微妙。仮に制したとしても、後ろにいる馬の餌食になりかねない。

 勝ってきたサクラゴスペルは前走が展開に恵まれた感もあるし、全くのニューカマーではないだけに大きな期待をかける気分にはなりにくい。オッズ次第でヒモに一考というところか。

 激しくなる先行争いの後ろにいる馬というと昨年の覇者コパノリチャードが好位にいそうだが、前走の6着が少し負けすぎ。スプリントGIで複数回連対するような馬は、ステップレースで負けてもいいのだが、掲示板くらいはキープするのが通常である。

 ならばもっと後ろの馬が届く形を想定して、ストレイトガールに期待するほうがよいのではと考える。ぶっつけではあるが、条件や環境を選ばない強い牝馬。一緒に香港へ遠征したリトルゲルダと比べても、一枚上の印象がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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